日本の夏の大きな行事として、多くの人から親しまれている盆踊り。会場では音頭に合わせて多くの人たちが、楽しく踊って過ごします。そんな盆踊りは、夏を盛り上げるためだけでなく、霊鎮めるための意味が込められています。

 

今回は盆踊りの歴史から意味、日本の三大盆踊りについて詳しくご紹介します。

盆踊りの歴史と由来について

全国各地で開催される盆踊りですが、具体的にどのような意味や目的が込められているのでしょうか。

盆踊りとは

盆踊りとは、多くの人たちがやぐらを囲み、太鼓や三味線の音頭に合わせて踊ることです。やぐらとは、太鼓の演奏者や踊り手たちが踊っている中心に設置されている舞台のことです。やぐらには、提灯なども飾りつけられます。

本来の意味と由来について

現代では盆踊りというと、楽しむためのお祭り行事として親しまれています。ですが、本来の盆踊りはご先祖さまの霊を霊鎮め(たましずめ)するための行事です。これには、お盆に現世へやってきた、ご先祖さまの霊を慰める意味が込められています。

 

盆踊りは、平安時代流行した念仏踊りから由来しているといわれています。念仏踊りとは、空也上人(くうやしょうにん)と呼ばれる人物が、仏教を広めるために行っていた布教活動のひとつです。多くの人に知ってもらえるようにと、太鼓を叩きながら念仏を唱えて踊ったのが念仏踊りです。

 

やがて鎌倉時代に入ると、多くの人に念仏踊りが広がっていきました。これは、一遍上人(いっぺんしょうひん)が庶民たちと一緒に踊ったことで、広がったといわれています。その後、盂蘭盆と結びつき、盆踊りが始まったのではないかといわれています。

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現代と歴史ある盆踊りについて

現在の盆踊りは、伝統的なものと現代的な盆踊りに分けられます。

 

伝統的な盆踊りは、民謡踊り西馬音内盆踊りなど伝統的な盆踊りです。その地域の伝統的な盆踊りが、開催されるのが一般的です。

 

それに対して現代的な盆踊りは、アニメソングや人気なjpopの曲を使った盆踊りも主流になってきているようです。近年では、伝統的な盆踊りに新たな形が増えてきました。

 

盆踊りの服装について

盆踊りのときは何を着たらよいか悩むこともありますが、一般的に決まりはありません。浴衣と下駄を履いた格好で参加する人が多いですが、私服でも問題ありません。ご自身が動きやすい服装で参加するのがよいでしょう。私服で参加をしても、うちわや扇子を持って気分をあげるのもひとつの手です。また、人とぶつからないように、小さい鞄など身軽にするのがおすすめです。

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日本三大盆踊り

盆踊りは日本全体で盛んに行われている行事ですが、そのなかでも「三大盆踊り」と呼ばれる有名な盆踊りがあります。ここでは、そんな代表的な盆踊りについてご紹介します。

西馬音内(にしもない)盆踊り

まず一つ目の三大盆踊りは、国の重要無形民俗文化財にも指定されている秋田県の西馬音内盆踊りです。西馬音内は、毎年8月16日〜18日の間に開催される、最も歴史の古い盆踊りといわれています。顔が見えないような編笠彦三頭巾(ひこさずきん)をかぶった踊り手たちが、音頭とがんけに合わせて踊ります。黒い彦三頭巾をかぶった姿は亡者を連想させ、お盆にちなんで供養する意味が込められています。

 

西馬音内盆踊りの諸説はありますが、修行僧であった源親が鎌倉時代に豊年祈願として踊らせたのが始まりではないかとのことです。

のちに西馬音内の城主が関ヶ原の戦いで敗れ、滅んだのを偲ぶために踊った亡者踊りが加わり、現在の西馬音内盆踊りが完成されたようです。

 

郡上踊り(ぐじょうおどり)

二つ目が、岐阜県の郡上踊りです。郡上踊りは約400年の歴史を誇る盆踊りで、毎年7月〜9月の間に開催される日本一長い盆踊りともいわれています。さらに、8月13日〜16日の4日間は徹夜踊りと呼ばれ、朝方まで踊り続けます。誰もが気軽に参加することができ、囃子の音色と一緒に多くの人の下駄の音が響き渡ります。

 

郡上踊りの始まりは、江戸時代といわれています。当時は、階級や身分の違いも大きい時代でした。そこで藩主は、各町の盆踊りを城下に集め、「盆の4日間は身分の隔てなく無礼講で踊るがよい」と伝えたことから、郡上踊りが始まったようです。

 

阿波おどり(あわおどり)

3つ目の三大踊りは、徳島県の阿波踊りです。阿波踊りもほかの盆踊りと同様に、約400年の歴史を誇る伝統的な盆踊りです。現在は徳島県のみならず、全国で開催されています。8月12日〜15日の4日間、徳島県で開催されたあと、東京都や埼玉県などでも開催されます。と呼ばれる、多くの人を募ってできた踊り手のグループによって、盛り上げられます。「踊る阿呆に見る阿呆 おなじ阿呆なら踊らにゃ損損」などの掛け声と囃子に合わせて、踊りながら街を歩きます。

 

体験を通じて感じてみる

盆踊りの歴史と種類について説明してきましたが、いかがでしたか。

 

伝統的な文化を大切にしながらも、新しい形を作り出している盆踊り。人々の工夫によって、現在も多くの人たちに受け継がれている大切な文化です。

実際に盆踊りに参加をして体験してみることで、そこでしか味わえない熱量や楽しさを感じられるはずです。

各地で開催されるため、興味のある方はこの夏にぜひ見に行ってみてくださいね。

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