
藍染の種類と特徴、染色技法について
てぬぐいやストールなど、日々の暮らしに溶け込んでいる藍染(あいぞめ)。
藍染は日本を代表する伝統工芸品であり、海外では「ジャパン・ブルー」とも呼ばれています。
藍色は繊細でいくつもの色を表現し、藍染ならではの特徴を発揮します。
今回は藍染の歴史から特徴、染め方(染色技法)について詳しくご紹介していきます。
もくじ
藍染(あいぞめ)の特徴
藍染(あいぞめ)とは、藍と呼ばれる植物を使った染色技法です。
藍染はてぬぐいやのれんといったイメージがありますが、近年では扇子やお財布など、さまざまなアイテムが作られています。
何と言っても藍染は、「ジャパン・ブルー」とも呼ばれる、美しい藍色が特徴です。
ここでは、藍染の種類(色)と特徴についてご紹介していきます。
藍色の種類(色)が豊富
まず、藍色の種類(色)が豊富という点が挙げられます。
藍色と言っても、一色だけではなく、48種類もの藍色が存在します。じつは、紺色、浅葱(あさぎ)色なども藍色のひとつに含まれています。同じ藍色でも1つひとつ異なり、繊細で美しい日本を表現しているかのようです。
この48種類の色は、「藍四十八色(あいよんじゅうはちしょく)」とも呼ばれています。
皆さんが日ごろ目にしている藍色は、どの種類なのかを意識して見てみるのも楽しいかもしれません。
天然の植物染料を使用している
ほかにも、藍染ならではの特徴が。
藍染はタデ科の植物である蓼藍(タデアイ)を原料とした、天然の植物染料です。この藍染に使われている藍には、虫除け、消臭、殺菌など、さまざまな働きが期待できます。
そのため、戦国時代には鎧の下着としてもよく身につけられていたといいます。
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藍染の歴史について
藍染の歴史は古く、奈良時代までさかのぼります。
当時朝鮮半島より、タデ科の植物である蓼藍(たであい)が日本へ伝わったのが関係しています。この朝鮮半島から伝わった蓼藍を使って作られたのが、天然の植物染料です。
平安時代で藍の色は高貴なものとされていたため、庶民では身に着けられないものでした。このときに染められた布たちは、正倉院などに多く保管されているようです。
江戸時代になると木綿が徐々に普及したことで、着物やのれんなどにも藍染が施されるようになり、日常で使うものとして庶民の間でも広がっていきました。また、華美な色が禁止されていたため、藍色は多くの人々の暮らしに役立っていたようです。
ジャパン・ブルー
藍染の藍色は、外国で「ジャパン・ブルー」とも呼ばれています。
ジャパンブルーと呼ばれるようになったのは近年でなく、明治時代といわれています。
明治時代にイギリス人化学者であるロバート・ウィリアム・アトキンソンが来日した際、町全体で見かける藍色をジャパン・ブルーと呼んだのが始まりのようです。
さらに、サッカー日本代表のユニフォームの色は「サムライブルー」と呼ばれ、これは藍染・ジャパンブルーからきています。
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藍染の技法について
藍染は染色技法を用いて作られていますが、その染め方には大きく分けて2種類あります。
建て染め(藍建て)
建て染めとは、原料である藍を発酵させて作った染料を使い染める技法です。
藍は液体に溶けにくい原料のため、時間をかけて染料を作ります。藍の葉を細かくし、甕(かめ)に入れて発酵させ、かき混ぜることで蒅(すくも)と呼ばれる染料が完成します。この染色技法のことを、建て染め(藍建て)といいます。
この作業工程を繰り返すことで、色の濃さを変化させていきます。
生葉染め(なまばぞめ)
生葉染めは、生の状態の藍の葉からできた染料を使って染める技法です。
生の葉を使って染めるため、生葉染めは藍が咲いている時期にしかできません。藍は7月〜9月に咲くため、この時期が収穫に最も適しています。
藍染の生産地
伝統工芸品である藍染は、徳島県が代表的な産地です。
徳島県は原料となる藍の収穫も多く、藍染をするのに適しています。
そんな徳島県で作られている染料(すくも)のことを、阿波藍(あわあい)と呼びます。最近では、阿波藍が文化庁の日本遺産にも認定されました。
阿波藍は日本で最も有名な藍染料ですが、染料の完成までに1年ほどかかります。藍の栽培から収穫に始まり、原料を発酵させて染料となる蒅(すくも)を作るまで工程も多く、かなりの時間がかかります。職人の手によって、1つひとつ丁寧に作られているのです。
日常に取り入れてみる
藍染は実際に体験することができるため、自分だけの1枚を作ってみるのもいいかもしれません。ストールやハンカチなど、日常に取り入れやすいアイテムも多いため、気軽に手に取ることができます。
ぜひ皆さんも、藍染の魅力を触って感じてみてくださいね。
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