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みなさんは、お正月の準備をいつごろから始めますか?

日本では「正月事始め」と呼ばれる正月の準備を始める日があり、地域によって多少の差はありますが、おおむね12月13日にあたります。

この日を境にすす払いや餅つきなど、新年を迎える準備をはじめます。
お正月の準備を始めるのはいつからでもいいと思う方がいるかもしれませんが、正月事始めは12月13日だと決められています。これは、この行事が神様に向けたものであることに由来します。

そこで今回は、正月こと始めのルーツについてご紹介します。

 

なぜ、12月13日なの?

平安時代から江戸時代前期まで使用されていた『宣明暦(せんみょうれき)』によると、この日は婚礼以外は万事に大吉とされる「鬼宿日」にあたります。このことから、年神様を迎える準備を始めるのにふさわしい日として「正月事始め」と定めたとされています。

現在ではこの日にこだわる必要はありませんが、新年を迎える準備は遅くとも28日までには終わらせるようにします。

 

作業が残った場合はどうすればいい?

新年を迎える準備が28日までに終わらなかった場合、翌29日は避けて30日に行うようにします。(9=「苦」を連想するため)また、大晦日である31日も「一夜飾り」といって、飾り物やお供え物を準備には適さないとされています。

 

■正月事始めに行うこと

12月13日のこと始めでは具体的に、どのようなことを行うのでしょうか。「煤払い」「松迎え」などの正月の準備にとりかかる日とされています。

 

すす払い

すす払いは、新しい年神様をむかえるために1年を祓う習わしです。かつては「煤梵天(すすぼんてん)」と呼ばれる道具ですすを払っていましたが、現在でも大きな寺社では煤梵天をつかって掃除をするところもあります。

松迎え

すす払いが終わったら、松迎えをします。松迎えとは、門松に使う松やおせち・お雑煮などの料理を用意するための薪などを木々を山へ行って取りに行く習慣があります。これを「松迎え」といいます。12月28日までに松を集めるようです。

 

準備をするには早い気がするけれど……

12月13日が縁起のよい「鬼宿日(きしゅくび)」とされていますが、新年を迎える準備をするにはやや早い気がするかもしれません。そのため、13日にすす払いを行って、ほかの箇所の掃除は別の日に行うと人が徐々に増えていきました。
その習慣が年末の大掃除の由来であるとされています。

 

■正月事始めの主役は年男

新年を迎える準備といえば大掃除や正月料理の仕込みなど、女性が中心になって行うものと思われがちです。しかし、かつて正月事始めを仕切るのは、その家庭の家長とされていました。

現代では生まれた年と同じ十二支の年を迎えた男女のことを「年男・年女」と呼びますが、むかしは正月事始めを仕切る家長のことを「年男」と呼んでいました。

さらにむかしは、しめ縄や門松を各家庭で手づくりしていたことから、正月の準備は力仕事が多かったことがうかがえます。このことから、正月事始めは男性が中心となって行っていました。

 

なにかと慌ただしい12月。年末年始の休暇に入らないとなかなか準備ができないかもしれませんが、12月13日の「正月事始め」から新年を迎える準備を少しずつすすめれば、いつもよりゆったりとした気持ちで新年を迎えられるかもしれません。

 

 


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職場や学校など、さまざまな場所で食べられているお弁当。

おかずやご飯を外に持ち運ぶことができるお弁当は、私たちの生活で欠かすことができません。持ち運びができるということから、お花見や電車旅のお供として多くの人から愛されています。

ご家庭の手作りお弁当はもちろん、コンビニエンスストアのお弁当、デパ地下で売っているお弁当など幅広い場所にあります。

そんなお弁当には、「幕の内弁当」と呼ばれるお弁当があります。

幕の内弁当はよく食べられているお弁当ですが、なぜ幕の内と呼ばれるようになったのでしょうか。

そこで今回は、幕の内弁当の歴史から由来、幕の内弁当と松花堂弁当の違いについてご紹介します。

 

幕の内弁当とは、どのようなもの?

幕の内弁当とは、「俵型の握り飯と数種類の副食(おかず)を詰め合わせた弁当」のことです。

おかずは、卵焼き・かまぼこ・焼き魚・揚げ物・煮物・漬け物・佃煮など、汁気のない数種類のおかずが詰め合わせられています。

お店によっておかずは違いがあり、それぞれ工夫を凝らした料理が詰められています。

ごはんは、白米をつめるのが一般的といわれています。ご飯の上に黒胡麻が散らされ、白米が平らになった状態が多いです。本来は、俵型をしたおにぎりがつめられていたのが幕の内弁当でした。時代の流れとともにおにぎりは減っていき、ご飯の上から俵型の型押しをしたものが多くなりました。

 

「幕の内弁当」が生まれた歴史・由来

幕の内弁当として売られるようになったのは江戸時代の後期といわれ、「芝居文化の発展とともにうまれた弁当」として、歌舞伎と深いつながりを持っています。ここからは、幕の内弁当が生まれた由来について見ていきましょう。

「幕の内弁当」と呼ばれるようになった由来には諸説あります。

.芝居興行のときに役者や裏方に出していた弁当をやがて観客も食べるようになり、幕間に食べる弁当だから

2.役者が幕の内(舞台裏)で食べていた弁当だから

3.芳町の「万久(まく)」という店が、小さな握り飯にお菜を添えた弁当を売り出したから

4.相撲取りの「小結(こむすび)」が幕の内力士であることになぞらえて、そう呼ばれるようになったから

5.戦国時代、戦陣の幕の内で食べた弁当だから

中でも1,2の説が有力とされていますが、「幕の内弁当と番付の幕内とは関係がない」との説もあります。

ただ、いずれにせよ、幕の内弁当は芝居小屋や相撲茶屋など江戸の庶民の娯楽につながっていたことはたしかなようです。

 

それぞれの仕出し弁当との違いとは?

仕出し弁当は宅配デリバリーと似ていますが、すこし異なります。宅配デリバリーは、注文をしたらすぐに届けてくれますが、仕出しは事前に注文を承っておき、予約した当日に調理したものを持っていくのが基本的です。

冠婚葬祭や会議といった、大切な場面のときに利用されることが多いです。そんな仕出しとして代表的なお弁当は、「幕の内弁当」「松花堂弁当」「折詰弁当」などがあります。それぞれの特徴、幕の内弁当との違いについてご紹介していきます。

松花堂弁当の特徴

松花堂弁当とは、内側を十字に仕切った弁当箱に料理を盛りつけたお弁当のことです。略式の懐石料理として用いられることもあり、料亭などで楽しむことができます。お弁当の中には、刺身や煮物、焼物、ごはんやお吸い物が小鉢に入れられています。このように、どこでも食べられるよう俵型おにぎりや汁気がないおかずを使用している幕の内弁当とは、大きな違いがあります。

松花堂弁当の特徴

折詰弁当とは、木でできた折箱の弁当箱の中に料理を盛りつけたお弁当のことです。隙間がないように、おかずでぎっしりと詰めているのが特徴です。また、詰めた料理の味が混ざらないように、仕切りを使った工夫が施されています。

折詰弁当の歴史は、文化7年に樋口与一という名の男性が開いていたお店「樋口屋」がきっかけになります。当時、時間がなくご飯を残していく姿を見て、竹の皮や笹で包んで持ちかえらせたのが始まりといわれています。

 

駅弁としても愛されている

幕の内弁当は芝居興行のときに食べられていたといわれていますが、明治時代に駅弁としても登場します。諸説ありますが、鉄道が開通して山陽線の神戸から姫路間の延伸たのをきっかけに、姫路駅で駅弁が作られたといわれています。そして、数年たった明治21年ごろに駅弁として幕の内弁当がでてきたといわれています。

現代では、新幹線など長い距離を移動する際に車内で駅弁が食べられています。景色を見ながら食事を楽しんだり、お目当ての幕の内弁当を食べたりするなど、さまざまな楽しみ方で愛されて続けています。

 

旅のお供としても

旅行や観劇といった、特別な日にも選ばれる幕の内弁当。日本全国、老若男女に根強い人気を誇り、長い間愛され続けています。これからお出かけや旅行を考えている方は、幕の内弁当をお供に過ごしてみてはいかがでしょうか。

【関連記事】マナーとエチケットの違い、きちんと答えられますか?


神社や仏閣などで、吉凶を占うために引くおみくじ。
初詣や観光などで参拝した際、運だめしに引くことが多いかと思いますが、「大吉」がもっとも運勢が良いのはわかりやすい一方で、「半吉」「吉」「末吉」などといった、なかには吉凶をすぐには判断しづらいものもあります。みなさんは、おみくじに書かれた運勢の順番、きちんと答えられますか?

実際のところは? おみくじの縁起のよい順位

じつは、おみくじには縁起がよいとされる決まった順番はないとされていますそれは、神社や仏閣などによって社寺によっておみくじに書かれている内容が異なり、吉凶の順番の見解も異なるため。

 

一般的には、【大吉・吉・中吉・小吉・末吉・凶】という順番が多いとされていますが、【大吉・中吉・小吉・吉・末吉・凶】とするところもあります。

また、【大吉・吉・中吉・小吉・半吉・末吉・末小吉・平・凶・小凶・半凶・末凶・大凶】と吉凶の順番をさらに細かく定めているものもあれば、【大吉・中吉・小吉・吉・半吉・末吉・末小吉・凶・小凶・半凶・末凶・大凶】とするところもあり、神社や仏閣などによってさまざまな見解が見受けられます。また、吉凶の割合も社寺それぞれによって異なります。

 

 

【関連記事】毎年10月に全国の神様が“出張”する場所、理由を見てみる

おみくじは結ぶ? 結ばない?

せっかく引いたおみくじですが、持ち帰るべきかどうか迷うことがあるかもしれません。
これに関してもそれぞれの神社や仏閣によってさまざまな見解があるため、「こうすればよい」という決まりはありません。ですが、大きく分けると以下の2つになります。

 

①おみくじには神や仏からのありがたいメッセージやパワーが秘められていることから、
(吉凶にかかわらず)おみくじに書かれている教訓を戒めるつもりで持ち歩き、お礼をこめて納める。

②自分にとって都合の悪いおみくじはその場で結びつけ、さらなるご加護を願う。よい結果のおみくじは持ち帰り、後日境内に結ぶ。

 

もともとおみくじは教訓として持ち歩くものだったといわれています。そのため、その場で結ぶのは凶をとどめて吉に転じるようにお願いする場合のみという見解が多く、たとえ凶であっても自分への戒めとして持って帰って構わないのです。最近は、おみくじを入れて持ち歩くための、おみくじ入れも人気です。

 

おみくじを結ぶ場合はどうすればいい?

おみくじは、むやみに捨てないようにするのがおすすめです。引いたおみくじを持ちかえらない場合や持っていたおみくじが不要になった場合は、神仏と縁を「結ぶ」ために境内に結んだり、納札所に納めるようにします。必ずしもおみくじを引いた神社や仏閣などでなくても構いませんが、神社のものは神社へ、寺のものは寺に納めたほうがよいとされています。

また、おみくじを木々の枝に結ぶのには「木々のみなぎる生命力にあやかり、願い事がしっかり結ばれますように」という祈りが込められています。
ただ、むやみに境内の木々に結びつけてしまうと木々を傷めてしまったり、景観を乱してしまう可能性があります。「おみくじ結び所」が指定されている場合には、かならず指定された場所へ結ぶようにしましょう。

 

おみくじを引く際に大切にしたいこと

おみくじを引くと私たちはつい、吉凶の結果ばかりを気にしてしまいがち。
けれども、おみくじは吉凶にとらわれずに細部から対処法を学んだり、今後の指針にしたりすることが大切です。

また、「大吉」や「大凶」が出た場合には、その反対の運勢になるという考え方もあります。これは、陰陽(おんみょう)思想による「陽極まれば陰生ず、陰極まれば陽生ず」という言葉に由来し、大吉や大凶などの対極にあるものはその反対に転じやすいといわれているため。

もちろん、吉であっても注意して行動するようにしたり、凶であっても用心して誠実に物事を対処すれば必ず御加護があるとされています。たとえあまりいい結果ではなかったとしても、それを前向きに捉えて行動することで、道が開けていくものなのかもしれません。

 


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結婚が決まったら、考えることはたくさん。

両親や職場への報告、式場探し、結婚指輪やドレス選び……。毎日がめまぐるしく過ぎていきます。

そんな準備期間によく耳にするのが、「結納(ゆいのう)」

なんとなく堅苦しいからといって、最近では両家顔合わせの食事会などにして結納を省いてしまう人も多いのでは?

結納を行うにしても、行わないにしても、結納とはどのようなものなのでしょうか。

きちんと知っておきたい風習の一つではあります。

 

結納の起源

結納の起源は、およそ1,400年前の仁徳天皇の時代までさかのぼります。

仁徳天皇の皇太子(後の履中天皇)は羽田矢代宿禰(はたのやしすくね)の娘、黒媛(くろひめ)を好きになり、妃に迎えようとして納采(のうさい)を行ったと『日本書記』には記されています。この宮中儀礼のことを「納采の儀」として受け継がれています。

納采」とは、結婚の話がまとまると男親が女親に挨拶にうかがい、贈り物をすること。これが、現在の結納の起源にあたります。

 

平安時代に貴族が行っていた婚礼儀式に中国の婚礼制度がとり入れられ、室町時代には武家や公家に広がり、小笠原流や伊勢流などに体系化されていきました。やがて江戸時代に入ると、裕福な商家では結納・結婚式の行事が行われるようになりました。庶民の間でも広く行われるようになったのは、江戸時代末期から明治時代になってからとされています。

 

■気になる結納品の中身

結納品には、円満・長寿・子宝など繁栄を象徴するさまざまな縁起物が揃えられています。また結納品には、それぞれ願いや意味が込められています。

地域によってさまざまな違いが見られますが、今回は関東式の一般的な9品目をご紹介します。

 

①長熨斗(ながのし)

「のしあわび」とも呼ばれ、もともとはあわびを薄く伸ばしたものでした。古来よりあわびは、不老長寿を象徴する貴重な食材。贈りものへの祝意も込められています。

 

②寿惠廣(すえひろ)

一対になった純白の扇子のこと。白は純潔・潔白・純真無垢を示し、を広げた形は繁栄を象徴する末広がりであることから、家族が末広がりに栄えてほしいとの願いが込められています。

 

友白髪(ともしらが)

白い麻紐や麻糸のこと。夫婦がともに白髪になるまで添い遂げられるようにと、夫婦円満や長寿を願う意味があります。

 

④子生婦(こんぶ)

昆布のことで、「よろこぶ」の意味が込められています。昆布は生命力が強いことから、子孫繁栄を願って贈られます。昆布も奇数を包みます。

 

⑤寿留女(するめ)

スルメのことです。日持ちがし、噛めば噛むほど味がでることから、夫婦の末永い縁を願う意味があります。

 

⑥勝男節(かつおぶし)

鰹節のこと。武家の保存食や非常食として常備されていたもので、武運長久の縁起物としての意味があります。

 

⑦家内喜多留(やなぎだる)

もとは本来の柳の樽にいれた祝い酒のこと、現代では「酒料」として現金を包みます。

 

⑧金宝包(きんぽうづつみ)

「結納金」のこと。男性側からは、「小袖料(こそでりょう)」女性側から結納金を贈る場合は、「御袴料(おんはかまりょう)」という名前で贈られます。

 

⑨目録(もくろく)

結納品の品目数を記したものです。結納品の明細書のようなもので、関東式では結納品のひとつに数えます。

 

以上が、関東式の一般的な結納品です。

いずれも夫婦の幸せと繁栄を願った品が多く、おめでたい漢字をあてて、縁起の良い意味が込められています。関東式で正式なのは9品目ですが、「家内喜多留(やなぎだる)」と「勝男節(かつおぶし)」を省いて7品目とすることもあります。

さらに省略する場合は、「寿留女(するめ)」と「子生婦(こんぶ)」を省いて5品目とします。

 

■結納に使われる水引

結納には、「淡路結び」の水引のかかったご祝儀袋を選びます。淡路結びはいちど結ぶと解くのが難しいことから、「一生に一度」という意味があり、縁起物の鮑に形が似ていることからも末永く良いお付き合いを、という願いが込められたお祝いに適している結び方です。

結納の起源や、結納品にこめられた想いを知ることで、よりこれから家族になるご両家の絆が深まりそうですね。

 

 


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古くから詩歌や俳句の材料になってきた、中秋の名月。

現在は太陽の動きが用いられていますが、それまではの満ち欠けが暦に用いられていました。

そしてやわらかな光を放つに魅せられた先人たちは、季節や風情に思いを馳せ、さまざまな名前をつけてきました。

なかでも十五夜は「中秋の名月」とも呼ばれ、古くからお月見の風習とともに親しまれています。じつは、この十五夜以外にも「十三夜」「十日夜」と呼ばれるの綺麗な夜もあることをご存知でしょうか。先人たちがつけた名前と照らし合わせながら楽しむと、明かりもより美しく感じられるかもしれません。

年に一度だけの十五夜

十五夜とはが満ち欠けする周期の齢の上で、満月の時を表すことば。新月を1とし、満月はちょうど15日目にあたるのが由来です。

ただし、十五夜というのは旧暦の「八月十五夜」のことを指し、ほかの満月を十五夜とは呼ぶわけではありません。

旧暦では、7月~9月が秋とされていました。

7月・8月・9月の真ん中は8月。さらに8月のちょうど真ん中にある15日ごろが「中秋の名月」とされていました。ただ、現在の新暦は旧暦とズレがあることから、9月7日から10月8日のあいだの満月を十五夜としています。

満月は豊穣(ほうじゅう)の象徴とされており、収穫されたばかりの里芋をはじめ、収穫への感謝や豊作祈願の意味を持って秋の実りをお供えします。里芋はどんどん増えるので、古くから子孫繁栄の縁起物とされ、祝い事に用いられてきました。こうしたことから、十五夜の「芋名月」とも呼ばれています。

「十三夜」と「十日夜」

さて、気になるほかの2つの月夜について説明していきましょう。

十三夜

まず十三夜ですが、こちらも同じく月齢からくる言葉で、新月から数えて13日目の月のことを指します。

が8割ほど見え、2割ほどが影になっている状態です。こちらは「九月十三夜」のことを指し、今の暦に合わせると10月ごろにあたり、中秋の名月の後にくることから「後の月」ともよばれています。

また、ちょうど栗が実る時期であり、食べごろになった栗や枝豆をお供えし収穫をお祝いすることから、「栗名月」「豆名月」という呼び方もあります。

十三夜は、十五夜と比べるとマイナーですが、片方だけを祝うと「片月見」また「片見月」など、縁起の悪いことだとされていたそう。それほど、昔は十五夜と同じくらい大切に重んじられていた日だったようです。

十日夜

次に十日夜ですが、呼び方の由来についてはもうおわかりですね。そう、新月から10日目の月を指します。

別名「三の月」ともいい、6割ほど見える状態です。旧暦の10月10日の夜のことで、農作物に感謝する日とされています。

この十日夜は田畑にいらした神様が山へお帰りになる日とされており、稲などを捧げます。また田んぼを守ってくれていた、かかしにも感謝を表し、お餅を捧げたり一緒にお月見をする地方もあります。

 

お月見に欠かせない月見団子

お月見の際に欠かせないのが、月見団子

けれど、なぜ私たちはお月見の際に月見団子をお供えするようになったのでしょうか。

お月見の日に団子を供える習慣は、江戸時代から始まったといわれています。

お月見をする際に「来年以降も豊作でありますように」という祈りをこめて、収穫物である米の団子を用意したのが由来だとされています。また、かつて子供は月の使者であると考えられていたことから、子供が団子をとりやすいように縁側に備えるようになったという逸話もあるとか。

 

月見団子は、丸ではない?

月見団子といえば、真ん丸のものを思い浮かべがちですが、じつは月見団子の形はまん丸ではありません。

なぜならば、ピンポン玉のような真ん丸の白い団子は、亡くなった方の枕元に供える枕団子を連想させてしまうため。そのため、月見団子は真ん丸ではなく、ほんの少しつぶすようにして形を作ります。

なお、月見団子を供える数については、十五夜にちなんで15個、1年の満月の数に合わせて12個などまちまちです。

津軽びいどろ
金彩盃 -月明-

ちょうど秋の夜風が涼しく、気持ちがいいこの季節。十五夜に込められた意味や十五夜以外の月の名前を知ったうえで迎えるお月見は、いつもより味わい深く楽しめるかもしれません。

 


 

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古来から日本人にとって切っても切り離せない文化のひとつである「お彼岸」。

秋のお彼岸は、秋分の日(9月23日ごろ)とその前後3日間を含んだ7日間この期間は仏壇や仏具、お墓をきれいにすることで先祖への供養を行うとともに、秋の収穫に感謝をささげます。

 

特に「お彼岸」と聞くと、仏前に供えるおはぎやぼたもちを思い浮かべる方が多いかもしれません。
秋のお彼岸では「おはぎ」をご先祖さまへお供えしますが、春のお彼岸には「ぼたもち」をお供えします。

 

「おはぎ」と「ぼたもち」。
この2つにはどのような違いがあるのでしょうか。

 

おはぎとぼたもちは、基本的に「同じもの」

 

「おはぎ」と「ぼたもち」の2つは基本的に同じものですが、それぞれ食べる時期が異なります。

 

秋は萩の花の季節が近いことから「御萩(おはぎ)」、いっぽう春のお彼岸は牡丹の花の季節に近いことから「牡丹餅(ぼたもち)」と呼ばれるようになりました。

また、それぞれお花に由来することから形にも違いが見られます。
萩は小さくてやや細長い花を咲かせるのに対して、牡丹は大きくて丸い花を咲かせます。このことから、ぼた餅は大きめで丸い形、そしておはぎは小ぶりの俵型をしています。

また、おはぎとぼたもちはあんこの収穫時期に合わせて使用される種類が異なります。材料となる小豆の収穫時期は、9~11月

そのため秋のお彼岸では、収穫したての小豆は皮までやわらく食べられる粒あんとして使用し、春のお彼岸では、固くなってしまった皮を取り除いてこしあんとして使用します。

 

なぜ、あずきを使うの?

お彼岸におはぎやぼた餅をお供えするようになった由来には諸説あります。ただそのひとつに、小豆の赤い色には魔除けの効果があるといわれ、邪気を払う食べ物として先祖へお供えをするとされています。

また、もち米とあずきの2つを「合わせる」という言葉の語呂から、先祖の心と自分たちの心を「合わせる」という意味もあると考えられています。そして、おはぎに使用される砂糖は、かつて非常に高価なものであったため、その砂糖を使用するおはぎはたいへん貴重なものでした。

 

じつは夏や冬にも呼び方がある

季節によって呼び名がことなるおはぎ(ぼた餅)ですが、じつは夏は「夜船(よふね)」、冬は「北窓(きたまど)」という呼び名がそれぞれあります。それぞれの由来は、以下のとおりです。

 

・夜船(よふね)

(餅を)いつついたのかがわからない


(夜だから船が)いつついたのかがわからない

【夜船】

 

・北窓(きたまど)

(餅を)いつついたのかがわからない


(北向きの部屋では月がみえないので)月知らず

【北窓】

 

このように、おはぎは臼と杵を使って餅つきをすることなく作れることから、つきしらず」ということば遊びに由来していることがうかがえます。

古来よりわたしたち日本人は、ご先祖様へと通ずるとされるお彼岸の時期に、感謝の気持ちやさまざまな祈りをこめておはぎやぼた餅をつくってお供えをしていたのでしょう。

ことしの秋のお彼岸は、日本語ならではの風情とともにおはぎを味わってみてはいかがでしょう。

 

「せり なずな ごぎょう はこべら ほとけのざ すずな すずしろ これぞ七草」

1月7日は、桃の節句や端午の節句とならぶ五節句のひとつ、「人日(じんじつ)の節句」。

この日は、春の七草を入れた七草粥(ななくさがゆ)を食べる日として知られています。

 

人日の節句の由来

“人日”というあまり聞きなれないこの言葉は、五節句のもとである中国の暦に由来しています。

古来中国では、正月の1日~6日まではそれぞれ動物を当てはめて占う日、そして7日を「人を占う日」としたところから、読んで字のごとく「人日」といわれるようになったとされています。

 

日本では平安時代ごろに伝わり、江戸時代には「人日の節句」が五節句のひとつに数えられるようになったようです。

 

 七草粥を食べる理由

もともと七草は、「秋の七草」を指すもので、春の七草は「七種」と書かれたようです。

七草粥は、お正月のおせち料理で疲れた胃を休め、邪気を祓うものとされています。とはいえ、最近はおせち料理を食べる家庭も減り、七草粥を食べるという方も少ないかもしれません。しかし、それぞれの植物はどれも消化が良く栄養素も含まれ、青菜の少ない冬の時節に栄養補給ができるという効果もあるのです。

そんな春の七草、それぞれどのようなものか、ご存知ですか?

 

《春の七草》

せり(芹)

セリ科の植物で、独特の香りがあり、その香りの成分には肝機能を強める効果などがあるとされています。

「競り合うように生える」ところから「せり」という名前がついたと言われています。

鉄分が多く含まれており増血作用があるとされ、食べる際はおひたしや鍋の具材などに使い、シャキシャキとした食感を楽しむことができます。

 

なずな(薺)

アブラナ科の植物でぺんぺん草とも呼ばれます。

茎から無数に伸びる実の形が三味線のバチに似ていて、三味線を弾く「ぺんぺん」という音から「ぺんぺん草」という名がついたそうです。

解熱・利尿作用があるとされています。

 

ごぎょう(御形)

ごぎょうとは、「ハハコグサ(母子草)」のこと。

現在、草餅を作る際には蓬(よもぎ)が用いられますが、古くはこのごぎょうが使われていました。

 

はこべら(繁縷)

はこべらはナデシコ科の植物で、「ハコベ」を指します。

おひたしにして食べることもあります。

 

ほとけのざ(仏の座)

キク科の植物で、「コオニタビラコ(小鬼田平子)」を指します。

湿地に自生しており、現在、一般に「ホトケノザ」と呼ばれているものとは別の植物です。

 

すずな(菘)

すずなは「カブ」のことです。

消化酵素のアミラーゼが多く含まれており、胃腸を整える効果があるとされています。

 

すずしろ(蘿蔔)

すずしろは、「大根(ダイコン)」の別名です。

消化酵素のジアスターゼが多く含まれており、かぶと同様に、消化を助け胃腸を整える効果があります。

 

邪気を祓うというだけでなく、消化を助け、胃腸を休めるという理にかなった意味のある七草粥。

カブやダイコンなど比較的身近なものだけでなく、道端に生えているような、食べられる野草もたくさんあるのです。

 

自分でひとつずつそれらを探すとなるとなかなか見分けがつかず大変かもしれませんが、お正月になると七草セットを売るスーパーなども。それを買えば簡単に七草をそろえられるので、ぜひ今度のお正月には七草粥を作ってみてくださいね。

 


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日ごろから、多くの人々が使っているメガネ。

そんなメガネにはさまざまな種類があり、寿命やメリットやデメリットが異なるのをご存知でしょうか。使い方のポイントを押さえることで、お気に入りのメガネを長く愛用することができるでしょう。

この記事では、メガネの素材に使われるアセテートやセルロイドの特徴から違いについてご紹介します。

 

メガネの素材は大きく分けて2種類、 素材ごとの特徴は?

メガネの素材にはメタルフレームとプラスチックフレームの2種類に分けられますが、それぞれどのような特徴があるのでしょうか。

メタルフレーム

ここでは、メタルフレームの特徴についてご紹介します。

フィットしやすく、軽量のため付け心地がよい

メタルフレームは、フィットしやすく、軽量のため付け心地がよいという特徴があります。付け心地がよく軽いのは、フレームの金属(メタル)にあります。プラスチックより金属は加工しやすく、曲げるなど細かい調整ができます。そのため、その人にフィットするメガネを作ることができます。

 

また、金属は加工しやすいことから、フレームはとても細いのが特徴です。そのぶん軽く、プラスチックと比較しても必要な素材が少ないため軽量な作りが可能です。

 

シンプルなデザインが多い

さまざまなカラーやデザインが多いプラスチックに対して、シンプルで落ち着いたデザインなのがメタルフレーム。メタルフレームは華美な装飾などがないため、上品でどのような洋服やシーンにも合わせやすいのが特徴です。飽きこないデザインのフレームは、年齢を重ねても使い続けることができるという魅力があります。

 

プラスチックフレーム

ここでは、プラスチックフレームの特徴についてご紹介します。

 

①デザインの種類が豊富

プラスチックフレームは花柄から縞模様といった模様や、カラーバリエーションが豊富なのが特徴です。

メタルフレームのように曲げるなどの加工には適していませんが、色をつけたり、模様をつけたりする加工が得意です。

また、少ない数からでも生産可能なことから、さまざまな模様が作れるのも大きな特徴です。

 

②丈夫で壊れにくい

プラスチックフレームの素材には、主にセルロイドアセテートが用いられます。これらの素材は衝撃に強く、キズがつきにくいなどの特徴があります。

現在の多くのフレームには、アセテートが用いられているのが増えています。

 

③金属アレルギーがあっても使用できる

プラスチックフレームには金属が使用されていないことから、金属アレルギーの方でも使えるのが特徴です。ただし、鼻パッド部分などに金属類を使うことがあるため、金属アレルギーの方は使う前に注意が必要です。

 

メガネの素材ごとのメリット・デメリット

メガネはメタルフレームとプラスチックフレームに分けられますが、それぞれメリットとデメリットがあります。

 

メタルフレーム

ここでは、メタルフレームのメリットとデメリットについてご紹介します。

 

メリット

特徴でも紹介したとおり、金属は加工しやすく軽量で着けやすいのが特徴です。シンプルなデザインが多いため、どのような人にも合わせやすいのがメリットです。シンプルで洗練されたデザインは、知的で上品な印象を与えてくれます。

 

デメリット

メタルフレームの素材には金属を用いているため、金属アレルギーの方は使えないデメリットがあります。また、デザインはシンプルなものが多いため、デザインの種類は限られます。

そして、プラスチックよりも金属は高価なため、メガネの価格も高くなる傾向があります。

 

プラスチックフレーム

ここでは、プラスチックフレームのメリットとデメリットについてご紹介します。

 

メリット

こちらも特徴で説明したとおり、衝撃に強く壊れにくいのが大きなメリットです。さらに、メタルフレームよりも素材も安価なため、手の届きやすい価格帯のものが多いという嬉しい点もあります。プラスチックは加工しやすいためカラーバリエーションが豊富で、金属アレルギーの方でも使いやすくなっています。

 

デメリット

プラスチックフレームは壊れにくいというメリットがありますが、その一方で劣化が早いデメリットがあります。フレームは重く、折れても修理できる確率が低いため注意したいところです。

 

素材ごとに違う? メガネの寿命はどのくらい?

人によっては、毎日使うメガネ。そんなメガネは、実際のはどのくらいの年数使えるのでしょうか。

レンズの平均寿命:およそ2年〜4年

一般的にレンズの寿命は、およそ2年〜4年といわれています。キズや紫外線でダメージを受け、レンズのコーティングがとれてしまうことがあります。

 

レンズの平均寿命:およそ2年〜10年

メガネはフレームの種類によって、寿命が異なります。ここでは、種類ごとの寿命についてご紹介します。

 

メタルフレーム

合金:合金の寿命は短く、2年〜3年といわれています。年数が経つと、メッキがはげ始めサビや耐久性が落ちやすくなります。

 

ステンレス:

日本製チタン:日本製チタンは使い方に気をつければ、およそ10年以上もつといわれています。ほかと比較してもサビにくく、劣化しにくい特徴があります。

 

海外製チタン:基本的に日本製よりは耐久性が落ち、メッキの強度も落ちます。

 

セルフレーム

セルロイド:セルロイドは、比較的長持ちしやすい素材ではあるものの、日ごろからお手入れをしていないと、およそ4~5年ほどでひび割れや変色が起こります。

 

アセテート:セルロイドと同じように、手入れを怠るとおよそ4~5年ほどで劣化が始まります。

 

ウルテム:ウルテムはおよそ3〜4年で印刷した柄がとれ、ひび割れや変色が起こる可能性があります。

 

お気に入りのメガネを長持ちさせるためのポイント

メガネは丈夫な作りですが、意外と繊細なものです。

フレームの種類によって寿命もさまざまですが、長持ちさせるためには使い方を意識することが大切です。

 

炎天下や直射日光など、高温になるような場所には注意

メガネは高温に弱いため、炎天下や直射日光などには注意が必要です。たとえば、レンズに太陽光が1点に集中し、収斂(しゅうれん)火災が起こる可能性があります。そのため、車のなかや直射日光にあたるような場所に置くのはやめましょう。

 

左からたたむようにする

基本的に日本のメガネは、左からたたむのが正しいとされています。左からたたむことで、テンプルが正しく閉じるようになっています。テンプルとは、耳にかかる部分のことです。右からたたむとテンプルが浮いてしまい、ケースに入れるとき壊れやすくなってしまう可能性があります。そのため、左からたたむことを意識しましょう。

 

かけるとき・外すときは両手でおこなう

メガネをかけるときと外すときは、必ず両手でおこないましょう。片手でおこなうと、丁番(ヒンジ)と呼ばれる開閉部分が壊れる原因となります。ちょっとしたことでズレや劣化が早まるため、注意が必要です。

 

「レンズを上に」置くようにする

レンズはキズがつきやすいため、机などに置くときはレンズを上にして置きましょう。たたんだ状態のときはテンプルを下にし、開いた状態のときはレンズの上部分を下にして置くのが最適です。

 

汚れがひどいときには水洗いを

メガネが脂や手垢などで汚れているときは、拭くときの注意が必要です。いきなりレンズを乾拭きするのではなく、水で流してからメガネクリーナーで綺麗にします。汚れがひどい場合は、中性洗剤を使うことで落としましょう。最後にティッシュなどで軽く拭いたら、メガネ拭きで仕上げます。

 

雨や汗に濡れたときはすぐに拭く

メガネが雨や汗で濡れてしまったときは、すぐに拭きとりましょう。そのままにしておくと、サビたりシミたりして劣化が早まってしまいます。皮脂などにも弱いため、汗やホコリなどは一度水に流してから拭くのが最適です。

 

さいごに

メタルフレームやセルフレームと大きく2つに分けられ、そのなかでもさまざまな種類があるメガネ。

 

メガネは日ごろのお手入れに気を遣うことで、長く使い続けることができます。今回ご紹介した長持ちさせるためのポイントを意識して、メガネを大切に保管やお手入をれしましょう。

 

壱ポイントでもアセテートを使ったアイテムを多く揃えているので、ぜひのぞいてみてくださいね。


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近年では外国人力士のめざましい活躍もあり、事あるごとに話題になる大相撲。

それぞれの取組の前に、身軽な恰好をした男性陣(呼出とよばれる人たちです)が掛布団のごとく大きな幕を掲げながら、列をなして土俵の上を周回する場面を見たことがある人も多いはず。

今回の記事では、そんな懸賞旗についてわかりやすくご紹介します。

 

色とりどりの幕たち

色とりどりの幕たちは、懸賞旗(けんしょうばた)と呼ばれるものです。

テレビで観ているとあまりはっきり目にすることができないかもしれませんが、さまざまな企業名が書かれた色鮮やかな幕の数々が土俵上を丸く埋める光景は、取組とはまたちがった面白さがあります。

大相撲の取組に懸賞金をかけた企業が社名などを入れた幕を作成し、その取組前に掲げてもらうことができるというもの。また、懸賞旗は懸賞幕(けんしょうまく)と呼ばれることもあります。

 

広告効果もある?

人気の力士や注目の取組には、多くの懸賞金がかけられることもあるため、懸賞旗の本数には上限が設けられています。ですが、懸賞旗を出すことで自社の宣伝広告を人々の目が集まる場で出すことができるのです。

また、懸賞金をかけると懸賞旗以外にも取組表に企業名が印刷されたり、取組前に場内アナウンスで社名が読み上げられたり。さまざま方法で、企業名が告知されます。

こうした宣伝効果はあるものの、一般的な広告とは異なるのでいろいろな制約もあります。

詳しくは、日本相撲協会のホームぺージをご覧ください。 

 

気になる懸賞金!

懸賞金はその取組の勝者に渡されますが、その行方も気になるところ。

これまで、企業が懸賞金をかけるには、税込62,000円で懸賞旗1分、これを少なくとも1日1本1場所(15日間)続けるのが条件です。つまり62,000円×15日で合計930,000円からのスタートとなります。1取組には最大5本までかけることができます。

この62,000円のうち勝ち力士の獲得金額は手数料を除いた56,700円。注目度の違いで懸賞をかける企業も増減し、取組後に渡される祝儀袋のボリュームから注目度の高さをうかがうこともできます。

※現在、懸賞は1本7万円に改定されました(令和元年)。力士が受け取る金額は3万円で変わりませんが、手数料など事務経費が1万円、預かる金が3万円に増えました。

 

祝儀袋を受け取るときの動作はなに?

ちなみに、勝ち力士が行司の差し出す軍配にのせられた祝儀袋を受け取る際に行う手刀(てがたな)は、なんと相撲協会の規定に明文化された決まりごとだそう。

はじめは規則として定められてはいなかった作法ですが、1966年に正式に定められたそうです。

左、右、中央の順に手刀を切ると決められ、これは左が神産巣日神(かみむすびのかみ)、右が高御産巣日神(たかみむすびのかみ)、中が天御中主神(あまのなかぬしのかみ)という、『古事記』のはじめに登場する五穀の守り三神に感謝する礼儀とされています。

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しかし、それまでは「心」の字を書く、さらに「心」を示す「りっしんべん」を書くなど、スタイルはさまざまであったとか。また、「右手で手刀を切らなければいけない」という決まりも現在はないそうです。相撲観戦に行く機会があった際は、取組はもちろん、懸賞旗や手刀の様子まで見てみるのも面白いかもしれません。

 

 


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「この紋所が目に入らぬか!」

このことばとともに、人々の頭上へ掲げられる印籠(いんろう)。

時代劇『水戸黄門』であまりにも有名なこのセリフとともに毎度登場する、つややかに光るこの印籠。この印籠がいったい、どのような素材からできているのか、皆さんはご存知でしょうか?

 

そもそも印籠って、どんなもの?

そもそも印籠とは、どのようなものなのでしょうか。

 

印籠とは、男性が帯に下げて携行する小型の容器のこと。

当初は印や印肉をを入れる容器として使用されていたころから、印籠(いんろう)と呼ばれるようになりましたが、やがて丸薬などを携行するために用いられるようになっていきます。

そして使用用途が変わったことで、次第に小型化して携行しやすくなり、装飾性の高い印籠がつくられるように。庶民のあいだでも浸透してくるようになると、印籠は次第にファッションアイテムの一部としてとり入れられるようになっていきました。

 

こうして印籠は、徐々に装飾性が求められるようになっていき、漆絵や蒔絵、箔押し、堆朱、螺鈿、彫金などといった装飾が施されるようになったそう。工芸技術が飛躍的に発展していた江戸時代は、印籠のほかに根付や刀の目貫などの装飾性も高い時期であり、それらのみをつくる職人もいたとされています。

 

印籠は、どんな素材からできているの?

一見すると、堅そうに見える印籠。そんな印籠ですが、じつは主に和紙でできています。実際のところは木彫の印籠もあるものの、木は乾燥するとヒビ割れが生じ、時間の経過とともにゆがみやすくなり、ふたの開閉が困難になってしまいます。また、印籠は主に屋外へ持ち出して使うため、直射日光が当たり温度差も大きくなります。

 

そのため、経年変化が少ないうえ、軽くて丈夫な和紙が採用されるようになりました。とはいえ、やわらかな平面であるはずの和紙から、いったいどうやってあのような堅い入れ物ができるのでしょうか。

 

印籠のユニークな構造

通常3~5段の容器が重なった形をしている印籠。言葉にすると、あっさりとしたものに聞こえますが、実際の構造と製作の過程をみると、じつは凝ったつくりをしていることがうかがえます。

 

すべての段の両脇に空いた穴へ紐を通すことでひとつにまとめ、その中でスライドさせることで各段を開け閉めします。それぞれの段が下段の蓋になり、ぴったりとはめこまれてコンパクトに収まるようになっています。

身に着けられる装飾品のひとつとして、本体にさまざまな飾り付けもされる印籠ですが、飾りを施す前段階だけでなんと100以上もの工程があるのです。

まず、太さのさまざまな楕円筒形の長い木の棒を型として、その中から2種類の太さのものを選びます。漆と糊、もしくはそれらを混ぜ合わせたものを和紙に塗り、それをふたつの木型に何層も巻き重ねていくのです(下図内①)。この作業をサビ付けといい、印籠の外枠である段と内側の立ち上がりがそれぞれにできていきます。

 

そこに、細くまっすぐな竹の幹や、和紙を細い筒状に丸めたものを2本、段の両脇に添えた状態(下図内②)でさらにサビ付けを重ねていきます(下図内③)。しっかりと固定したあとに4日ほど乾燥させ、木型から外してさらに1年間乾燥させることで、ゆがみの生じない強度を持ったものに仕上がるのです。

段と立ち上がりを必要なサイズにカットし(図内④)、合口の表面を研いだり漆を塗ったりして整え、ようやく組み立て工程に入ります。薄いヒノキの板を底板として、段に立ち上がりを組み入れます。当時実際に使われていた印籠のパーツの中で、木材が使われているのは基本的にこの部分だけ。

 

そうしてそれぞれの蓋まで閉め、すべてがぴったりと収まるように作るのが職人の腕の見せ所。確認できたら内外に金の梨地※1を蒔き、漆の下地を塗り、蒔絵を施して最後の研ぎ出しをして、ようやく完成に至るというわけです。

 

まるで木のような堅い素材でできていると思わせる理由は、この漆塗りで表面を美しく整えられるためかもしれません。

 

印籠の多くは蒔絵によって飾られますが、他にも金工象牙堆朱堆黒※2べっ甲陶磁器水晶ガラスなどなど多彩な素材の装飾が施されているものもあります。

※1 梨地(なしじ)…漆を塗り金、銀、錫などの梨地粉を蒔いた上に透明漆を塗って粉の露出しない程度に研ぐ蒔絵技法。梨の肌に似ているところからこの名がある

※2 堆朱(ついしゅ)、堆黒(ついこく)…朱漆もしくは黒漆を厚く塗り重ね、そこに彫刻を施したもの

 

 

実用品から装飾品、そして美術品へ

印籠は、もともとはその名の通りに印鑑や朱肉を入れて置いておくための箱でしたが、やがて腰から下げて携帯されるようになります。そのように持ち運ぶため、印籠を帯に通す際にストッパーの役目をはたす根付と、蓋の開閉をするための緒締(おじめ)とのワンセットで使用されます。中に薬などを入れるようになったのはおそらく戦国時代、戦場に行く武士が持病の薬を持っていくのに使ったのではないかといわれています。

 

印籠は根付や刀装具と同様に手のひらの上で鑑賞する、日本人の美意識が凝縮されたものです。日本のあらゆる工芸の技法が結集されて非常に緻密な世界を作り上げているこの印籠は、残念ながら数多くの作品が海外に流出してしまっているのが現状です。