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「壱ポイント」は、伝統工芸品や和雑貨を扱うオンラインショップです。職人や作家の想いを伝え、皆様の生活に豊かさを提供していきます。誕生日・記念日・引き出物・内祝い・入学式・入社式など、特別な機会の贈り物にぜひご活用ください。

「せり なずな ごぎょう はこべら ほとけのざ すずな すずしろ これぞ七草」

1月7日は、桃の節句や端午の節句とならぶ五節句のひとつ、「人日(じんじつ)の節句」。

この日は、春の七草を入れた七草粥(ななくさがゆ)を食べる日として知られています。

 

人日の節句の由来

“人日”というあまり聞きなれないこの言葉は、五節句のもとである中国の暦に由来しています。

古来中国では、正月の1日~6日まではそれぞれ動物を当てはめて占う日、そして7日を「人を占う日」としたところから、読んで字のごとく「人日」といわれるようになったとされています。

 

日本では平安時代ごろに伝わり、江戸時代には「人日の節句」が五節句のひとつに数えられるようになったようです。

 

 七草粥を食べる理由

もともと七草は、「秋の七草」を指すもので、春の七草は「七種」と書かれたようです。

七草粥は、お正月のおせち料理で疲れた胃を休め、邪気を祓うものとされています。とはいえ、最近はおせち料理を食べる家庭も減り、七草粥を食べるという方も少ないかもしれません。しかし、それぞれの植物はどれも消化が良く栄養素も含まれ、青菜の少ない冬の時節に栄養補給ができるという効果もあるのです。

そんな春の七草、それぞれどのようなものか、ご存知ですか?


 

《春の七草》

せり(芹)

セリ科の植物で、独特の香りがあり、その香りの成分には肝機能を強める効果などがあるとされています。

「競り合うように生える」ところから「せり」という名前がついたと言われています。

鉄分が多く含まれており増血作用があるとされ、食べる際はおひたしや鍋の具材などに使い、シャキシャキとした食感を楽しむことができます。

 

なずな(薺)

アブラナ科の植物でぺんぺん草とも呼ばれます。

茎から無数に伸びる実の形が三味線のバチに似ていて、三味線を弾く「ぺんぺん」という音から「ぺんぺん草」という名がついたそうです。

解熱・利尿作用があるとされています。

 

ごぎょう(御形)

ごぎょうとは、「ハハコグサ(母子草)」のこと。

現在、草餅を作る際には蓬(よもぎ)が用いられますが、古くはこのごぎょうが使われていました。

 

はこべら(繁縷)

はこべらはナデシコ科の植物で、「ハコベ」を指します。

おひたしにして食べることもあります。

 

ほとけのざ(仏の座)

キク科の植物で、「コオニタビラコ(小鬼田平子)」を指します。

湿地に自生しており、現在、一般に「ホトケノザ」と呼ばれているものとは別の植物です。

 

すずな(菘)

すずなは「カブ」のことです。

消化酵素のアミラーゼが多く含まれており、胃腸を整える効果があるとされています。

 

すずしろ(蘿蔔)

すずしろは、「大根(ダイコン)」の別名です。

消化酵素のジアスターゼが多く含まれており、かぶと同様に、消化を助け胃腸を整える効果があります。

 

邪気を祓うというだけでなく、消化を助け、胃腸を休めるという理にかなった意味のある七草粥。

カブやダイコンなど比較的身近なものだけでなく、道端に生えているような、食べられる野草もたくさんあるのです。

 

自分でひとつずつそれらを探すとなるとなかなか見分けがつかず大変かもしれませんが、お正月になると七草セットを売るスーパーなども。それを買えば簡単に七草をそろえられるので、ぜひ今度のお正月には七草粥を作ってみてくださいね。

 


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視力矯正のためにはもちろん、コーディネートのワンポイントにも使われるメガネ

シンプルなものから思わず目をひくビビッドなものまで、さまざまな色やデザインがありますが、そんなメガネはどんな素材からつくられているかをご存知ですか? そこで今回は、メガネフレームに使われるプラスチック素材の「セルロイド」「アセテート」についてご紹介します。

 

メガネに使われるプラスチック素材

メガネフレームに使われる代表的なプラスチック素材としてあげられるのが、「セルロイド」と「アセテート」。そんなふたつの原料は、綿花と高純度パルプからつくられた植物繊維。植物性の自然素材からつくられているため、肌にやさしく、アレルギー反応も出づらいことから、肌に直接つけても温かみがあります。また、植物系素材なので環境にもやさしいエシカルな素材だと言えます。

 

では、セルロイドとアセテートはそれぞれ、どのような特徴があるのでしょうか。

 

セルロイド 

セルロイドは弾力性があり、衝撃に強く歪んだり曲がったりしにくいといわれる素材。また、独特のツヤが大きなセルロイドの魅力です。

2000年頃までは、メガネフレームのプラスチック素材ではセルロイドが主に使われていました。

初期の映画作品のフィルムにもセルロイドが使われていましたが、発火事故が発生し「セルロイドは燃えやすい」と言われるようになったことで、徐々に衰退していきました。

セルロイドの発火点は170℃前後で、燃えやすい素材ではありますが、日常生活で使用する分には問題はありません。

 

 

アセテート

アセテートとは、綿花の種に生えている産毛(リンター)を原料にした木綿の繊維素(セルロース)に酢酸系の溶剤を足してつくられる素材のこと。そんなアセテートは、透明度の高さ加工のしやすさ、そして軽さが長所として挙げられます。また、色や柄、透け感など、多彩なデザインを楽しめることも魅力のひとつ。

 

そんなアセテートは、セルロイド用のメガネ加工機がそのまま応用することができたため、徐々にプラスチックメガネの素材として広がっていきました。そのため現在では、プラスチックフレームと呼ばれるメガネのほどんどに、このアセテートが使われています。

 

キッソオ sabae 靴べら -馬-

そんなアセテートは、ちりばめたり、寄木のように立体的に組み立てて作られるため、さまざまな色や形状の組み合わせをすることで、無限大の表現が可能となっています。

 

また、メガネの聖地として有名な福井県鯖江市では、メガネ作りの技術を応用し、アセテートを使ったアクセサリーや雑貨も製造されています。デザインの豊富さ、そして加工のしやすさといったアセテートの長所と、メガネ生産によって培われた職人の技が存分に生かされたアイテムたち。

 

壱ポイントでも多数ご用意しているので、よろしければこちらよりご覧ください。

 


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近年では外国人力士のめざましい活躍もあり、事あるごとに話題になる大相撲。

それぞれの取組の前に、身軽な恰好をした男性陣(呼出とよばれる人たちです)が掛布団のごとく大きな幕を掲げながら、列をなして土俵の上を周回する場面を見たことがある人も多いはず。

今回の記事では、そんな懸賞旗についてわかりやすくご紹介します。

 

色とりどりの幕たち

色とりどりの幕たちは、懸賞旗(けんしょうばた)と呼ばれるものです。

テレビで観ているとあまりはっきり目にすることができないかもしれませんが、さまざまな企業名が書かれた色鮮やかな幕の数々が土俵上を丸く埋める光景は、取組とはまたちがった面白さがあります。

大相撲の取組に懸賞金をかけた企業が社名などを入れた幕を作成し、その取組前に掲げてもらうことができるというもの。また、懸賞旗は懸賞幕(けんしょうまく)と呼ばれることもあります。

 

広告効果もある?

人気の力士や注目の取組には、多くの懸賞金がかけられることもあるため、懸賞旗の本数には上限が設けられています。ですが、懸賞旗を出すことで自社の宣伝広告を人々の目が集まる場で出すことができるのです。

また、懸賞金をかけると懸賞旗以外にも取組表に企業名が印刷されたり、取組前に場内アナウンスで社名が読み上げられたり。さまざま方法で、企業名が告知されます。

こうした宣伝効果はあるものの、一般的な広告とは異なるのでいろいろな制約もあります。

詳しくは、日本相撲協会のホームぺージをご覧ください。 

 

気になる懸賞金!

懸賞金はその取組の勝者に渡されますが、その行方も気になるところ。

これまで、企業が懸賞金をかけるには、税込62,000円で懸賞旗1分、これを少なくとも1日1本1場所(15日間)続けるのが条件です。つまり62,000円×15日で合計930,000円からのスタートとなります。1取組には最大5本までかけることができます。

この62,000円のうち勝ち力士の獲得金額は手数料を除いた56,700円。注目度の違いで懸賞をかける企業も増減し、取組後に渡される祝儀袋のボリュームから注目度の高さをうかがうこともできます。

※現在、懸賞は1本7万円に改定されました(令和元年)。力士が受け取る金額は3万円で変わりませんが、手数料など事務経費が1万円、預かる金が3万円に増えました。

 

祝儀袋を受け取るときの動作はなに?

ちなみに、勝ち力士が行司の差し出す軍配にのせられた祝儀袋を受け取る際に行う手刀(てがたな)は、なんと相撲協会の規定に明文化された決まりごとだそう。

はじめは規則として定められてはいなかった作法ですが、1966年に正式に定められたそうです。

左、右、中央の順に手刀を切ると決められ、これは左が神産巣日神(かみむすびのかみ)、右が高御産巣日神(たかみむすびのかみ)、中が天御中主神(あまのなかぬしのかみ)という、『古事記』のはじめに登場する五穀の守り三神に感謝する礼儀とされています。

能作
スモウレスラー (2ヶ入)

しかし、それまでは「心」の字を書く、さらに「心」を示す「りっしんべん」を書くなど、スタイルはさまざまであったとか。また、「右手で手刀を切らなければいけない」という決まりも現在はないそうです。相撲観戦に行く機会があった際は、取組はもちろん、懸賞旗や手刀の様子まで見てみるのも面白いかもしれません。

 

 


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「この紋所が目に入らぬか!」

このことばとともに、人々の頭上へ掲げられる印籠(いんろう)。

時代劇『水戸黄門』であまりにも有名なこのセリフとともに毎度登場する、つややかに光るこの印籠。この印籠がいったい、どのような素材からできているのか、皆さんはご存知でしょうか?

 

そもそも印籠って、どんなもの?

そもそも印籠とは、どのようなものなのでしょうか。

 

印籠とは、男性が帯に下げて携行する小型の容器のこと。

当初は印や印肉をを入れる容器として使用されていたころから、印籠(いんろう)と呼ばれるようになりましたが、やがて丸薬などを携行するために用いられるようになっていきます。

そして使用用途が変わったことで、次第に小型化して携行しやすくなり、装飾性の高い印籠がつくられるように。庶民のあいだでも浸透してくるようになると、印籠は次第にファッションアイテムの一部としてとり入れられるようになっていきました。

 

こうして印籠は、徐々に装飾性が求められるようになっていき、漆絵や蒔絵、箔押し、堆朱、螺鈿、彫金などといった装飾が施されるようになったそう。工芸技術が飛躍的に発展していた江戸時代は、印籠のほかに根付や刀の目貫などの装飾性も高い時期であり、それらのみをつくる職人もいたとされています。

 

印籠は、どんな素材からできているの?

一見すると、堅そうに見える印籠。そんな印籠ですが、じつは主に和紙でできています。実際のところは木彫の印籠もあるものの、木は乾燥するとヒビ割れが生じ、時間の経過とともにゆがみやすくなり、ふたの開閉が困難になってしまいます。また、印籠は主に屋外へ持ち出して使うため、直射日光が当たり温度差も大きくなります。

 

そのため、経年変化が少ないうえ、軽くて丈夫な和紙が採用されるようになりました。とはいえ、やわらかな平面であるはずの和紙から、いったいどうやってあのような堅い入れ物ができるのでしょうか。

 

印籠のユニークな構造

通常3~5段の容器が重なった形をしている印籠。言葉にすると、あっさりとしたものに聞こえますが、実際の構造と製作の過程をみると、じつは凝ったつくりをしていることがうかがえます。

 

すべての段の両脇に空いた穴へ紐を通すことでひとつにまとめ、その中でスライドさせることで各段を開け閉めします。それぞれの段が下段の蓋になり、ぴったりとはめこまれてコンパクトに収まるようになっています。

身に着けられる装飾品のひとつとして、本体にさまざまな飾り付けもされる印籠ですが、飾りを施す前段階だけでなんと100以上もの工程があるのです。

まず、太さのさまざまな楕円筒形の長い木の棒を型として、その中から2種類の太さのものを選びます。漆と糊、もしくはそれらを混ぜ合わせたものを和紙に塗り、それをふたつの木型に何層も巻き重ねていくのです(下図内①)。この作業をサビ付けといい、印籠の外枠である段と内側の立ち上がりがそれぞれにできていきます。

 

そこに、細くまっすぐな竹の幹や、和紙を細い筒状に丸めたものを2本、段の両脇に添えた状態(下図内②)でさらにサビ付けを重ねていきます(下図内③)。しっかりと固定したあとに4日ほど乾燥させ、木型から外してさらに1年間乾燥させることで、ゆがみの生じない強度を持ったものに仕上がるのです。

段と立ち上がりを必要なサイズにカットし(図内④)、合口の表面を研いだり漆を塗ったりして整え、ようやく組み立て工程に入ります。薄いヒノキの板を底板として、段に立ち上がりを組み入れます。当時実際に使われていた印籠のパーツの中で、木材が使われているのは基本的にこの部分だけ。

 

そうしてそれぞれの蓋まで閉め、すべてがぴったりと収まるように作るのが職人の腕の見せ所。確認できたら内外に金の梨地※1を蒔き、漆の下地を塗り、蒔絵を施して最後の研ぎ出しをして、ようやく完成に至るというわけです。

 

まるで木のような堅い素材でできていると思わせる理由は、この漆塗りで表面を美しく整えられるためかもしれません。

 

印籠の多くは蒔絵によって飾られますが、他にも金工象牙堆朱堆黒※2べっ甲陶磁器水晶ガラスなどなど多彩な素材の装飾が施されているものもあります。

※1 梨地(なしじ)…漆を塗り金、銀、錫などの梨地粉を蒔いた上に透明漆を塗って粉の露出しない程度に研ぐ蒔絵技法。梨の肌に似ているところからこの名がある

※2 堆朱(ついしゅ)、堆黒(ついこく)…朱漆もしくは黒漆を厚く塗り重ね、そこに彫刻を施したもの

 

 

実用品から装飾品、そして美術品へ

印籠は、もともとはその名の通りに印鑑や朱肉を入れて置いておくための箱でしたが、やがて腰から下げて携帯されるようになります。そのように持ち運ぶため、印籠を帯に通す際にストッパーの役目をはたす根付と、蓋の開閉をするための緒締(おじめ)とのワンセットで使用されます。中に薬などを入れるようになったのはおそらく戦国時代、戦場に行く武士が持病の薬を持っていくのに使ったのではないかといわれています。

 

印籠は根付や刀装具と同様に手のひらの上で鑑賞する、日本人の美意識が凝縮されたものです。日本のあらゆる工芸の技法が結集されて非常に緻密な世界を作り上げているこの印籠は、残念ながら数多くの作品が海外に流出してしまっているのが現状です。


 

日本の匠にクリエイティブの源を聞くインタビュー特集『匠の道』。

第9回は、和食器&生活用品ブランド「TSUNE」のデザイナーを務める田中恒子(たなか・つねこ)さんのアトリエを訪問しました。和とも洋ともとれるような、独自の温もりある食器を手がける恒子さん。これまで生み出された食器の数々に触れながら、食器に込めた思いや食器コーディネートの極意など、たくさんのお話を聞かせて下さいました。

TSUNEが手がける食器の意匠は、いずれも四季を取り入れたものばかり。

 

主役はあくまでも家庭料理

TSUNEの食器は、そのひとつひとつが熟練の職人によって時間をかけて生み出される一点ものでありながら、主役の座はあくまで家庭料理に引き渡すことを大切にしています。

「コンセプトは〝四季折々〟。移ろいゆく四季に自分の思いを色として重ねながら、一つひとつを作っています。たとえば桜をモチーフにしても、薄紅でえがく年もあれば、夜桜の白を思う年もありますよね。その年、その場所によって変化する感じ方を頼りにしながら、四季の移り変わりとその思い出に寄り添う器造りを心がけています」

 

自然からインスピレーションを受けて調合される釉薬が豊かな色彩を食器に与える一方で、主張しすぎるということはありません。むしろそれらが食卓に四季の訪れを感じさせてくれ、どんな料理を盛りつけようかと想像するのも楽しくなります。

 

 

「単に一色に染めるのではなく、濃淡がグラデーションとなって現れる色合いを目指して作るため、理想にたどり着くまで何度も作り直しますし、月日を経て同じものをまた作るといったことも難しいんです。」

 

服を生み出すように器を生み出す

そんな季節の魅力あふれるTSUNEの食器を生み出す恒子さんですが、食器作りを始める前はファッションの世界にいたという経歴の持ち主。文化服装学院でデザインを専攻したのち、ファッションブランド「ヨーガンレール」に就職、パタンナーのポジションに就いたといいます。意外ともとれる経歴ですが、そこには器作りとの共通点がありました。

 

「新卒でヨーガンレールに入社し、そのなかで必死に服造りを学びました。そしてようやく自分なりに色々やれるようになったとき、陶器の魅力を知ったんです。そのとき気づいたのは、服を作るのも器を作るのも大して差はないんだなということでした。まず作りたいと思ったものの絵を描き、その制作工程を指示書を書く。作る流れは同じなんです。そのことに気づいてますます食器作りにのめり込んでいきました」

 

こうした制作工程を確立させることによって、全国に散らばる伝統工芸の職人たちと手を組むことを実現させ、芸術的な意匠をまとったTSUNEの器は産声をあげます。

飾っても美しい「TSUNE」の器ですが、あくまで日常の食卓に並べてほしいと恒子さんはいいます

 

当たり前の日常にある景色を

奇しくも当時、恒子さんのご主人が飲食店をオープンさせることとなり、その食器を恒子さんが手がけたことによってTSUNEの活動は始まりました。以来、陶器に季節と思い出を重ね続けて三十余年。春夏秋冬といえども毎年異なる季節が訪れ、新たな発見をもたらすといいます。

 

「秋になれば落ち葉を、春から夏にかけては若葉を観察します。そうしていると、去年までは気がつかなかったことにも、今年は気づくこともありますよね。そうやって、毎年異なる四季を陶器に反映しています。それはなにも特別な場所で見られる風景でなくて良く、むしろ誰にでも訪れる景色ですね。朝の時間、夕暮れ時。仕事の帰り道、疲れたなと思いながらふと目に留まるもの。そういった日常の景色からヒントを得ることで、より多くの方々に共感してもらえるのではないかと思います」

なかには宇宙を想起させるようなものも。その表情はどれも個性的で、この中から選び抜くのも楽しみのひとつ

 

食器が生み出す家族の団らん

TSUNEの食器が季節をきっかけとするのは、その食器が辿り着く終着点を考えてのもの。四季を取り入れた先で恒子さんが期待するのは家族の団らんでした。

「食卓は家族が集まる場所。それこそ食器がきっかけとなって、食卓で家族の会話が生まれたらいいなと思うんです。その時その時の季節感は自然な刺激を与えてくれますから、そうして弾んだ会話の延長線で食事を楽しんでもらい、〝今日も一日楽しかった〟と収まるきっかけになれば嬉しいですね」

毎日の食卓に彩りを加えるだけでなく、家族がひとつになるきっかけ作りを終着点にする。ここにも、TSUNEの器が持つ暖かみの理由がありました。

こうして食器を重ねるだけでも使い道はぐっと広がります

 

すでにある食器との共存を考える

しかし家族の団らんを最終点に掲げても、それが実際に家庭のなかで使われなければ意味がありません。実際、どの家庭においても、買ったはいいけれど使われずに食器棚のなかで眠り続ける食器はいくつかあるもの。そこで恒子さんは、時に空間コーディネートまで手がけるといいます。

 

「店頭に立てば、お客様のリクエストに沿ってコーディネートを提案します。買いたいと思う食器を、では現実的にどのように使えば良いかということですね。ここで大事なのは、すでにおうちにある食器とどう共存させるかということ。持って帰ったはいいけれど、日々の生活で使えないのでは本来の意味を失ってしまいます。いかに収納しやすく、それでいて毎日使えるかどうかを一緒に考える。そこにおいてリアルな提案をすることがコーディネートだと思っています」

 

 

作り手の思いを一方的に押しつけるのではなく、時には和となり洋となれるような器であること。芸術的な意匠を持ち合わせながらも、あくまでも主役は家庭料理。ここで初めの話に戻りましたね。恒子さんの話を聞くことから、三十余年の季節を巡り巡って形作られたTSUNEの食器が持つ奥深さに少しだけ触れられたような気がします。

 

TSUNEの食器は壱ポイントでも取り扱っております。いつもの食卓に四季を取り入れ、そこから始まる家族のひと時を皆様にも楽しんで頂けたらと思います。

くわしくは、こちらのページをご覧ください。

9月27日(水)から10月7日(土)まで開催しておりました、新宿マルイ アネックスでの催事出店は無事終了いたしました。

今回は、美濃焼のお茶碗をはじめ津軽びいどろの盃など、食器類が人気でした。
また、KOSHOのトートバッグも飴色や焦げ茶色ベースなど秋色のバリエーションが仲間入りし、トートバッグM、MH、PHともに多くの方に気に入っていただき、購入してくださいました。
催事中、寒い日や天候のすぐれない日もありましたが、足を運んでいただいた皆さま、誠にありがとうございました!

ぜひ、壱ポイント オンラインサイトでのお買い物もお楽しみくださいませ。

高い技術力が施され、国の伝統的工芸品に指定されている絹織物「西陣織」。

西陣織の品種は12種類あり、それぞれ製造工程と特徴が異なります。

この記事では、西陣織の歴史から名前の由来、特徴について詳しくご紹介します。

 

西陣織とは

美しい見た目と繊細な職人技が施された、日本が誇る伝統工芸品西陣織。

まずは、西陣織の特徴と名前の由来についてご紹介します。

 

西陣織の特徴

西陣織(にしじんおり)とは、京都で作られている先染(さきぞめ)の織物です。西陣織の西陣とは、京都市街の北部の上京区、北区を中心とした地域の名称で、実際に西陣という地域があるわけではありません。

 

具体的には、上京区・北区を中心に、おおよそ南は丸太町通、北は上賀茂、東は烏丸通、西は西大路通に囲まれた地域のことを指します。

 

西陣織の最大の特徴は、多品種少量生産ということです。西陣織は完成までに作業工程がいくつもあり、高い技術力が必要な高級品です。

 

そんな西陣織は、12種類の品種が西陣織1976年(昭和51年)に国の伝統的工芸品に指定されました。

 

西陣織の名前の由来

西陣織の名前の由来は、応仁の乱だといわれています。

当時、応仁の乱の影響で、京都から多くの織物職人たちが離れてしまいました。

戦乱が落ち着くと、やがてほかの地域へ避難していた職人たちが京都へ戻り、織物作りを再開します。

その際、西軍が陣を張っていた場所(つまり西陣)で再開したことから、西陣織と呼ばれるようになったようです。

 

西陣織の歴史

西陣織の歴史は非常に古く、古墳時代までさかのぼります。

5〜6世紀に大陸から渡来した秦氏の一族が、現在の京都に住みつきます。

その際に、養蚕絹織物の技術を伝えたのが西陣織の始まりといわれています。

 

平安時代に入ると、朝廷では織部司(おりべつかさ)と呼ばれる役所が置かれます。これにともない、多くの職人を集め、綾や錦といった高級織物が生産されるようになります。

 

平安中期に入ると、朝廷での織物作りは衰退していきます。そして、朝廷で働いていた職人たちは離れ、大舎人町(おおとねりちょう)に住むようになり個人で織物業を営むようになります。

のちに大舎人町で誕生した織物を「大舎人綾」「大宮絹」と呼び、高級織物として珍重されてきました。

 

室町時代の中ごろになると京都では、東軍と西軍が争う1467年に応仁の乱が起こります。11年という長きに渡って繰り広げられたこの戦によって、大舎人町も壊滅状態となりました。職人たちは、戦火を逃れるために堺などの各地へ離散していきました。

 

戦乱が治まったのち、職人たちは西軍の本陣があった大宮今出川のあたりに再び集まり、織物業を再開します。地域の名前から「西陣織」と呼ばれるようになったといわれています。

 

安土桃山時代に入ると、明から織物の技術が入り、紋織(もんおり)と呼ばれる西陣織の基礎が確立します。

 

江戸時代に入り幕府の保護となったのち、さまざまな技術を取り入れてゆき、絹織物業が急速に発展していきました。

 

繁盛しにぎわっていた西陣織でしたが、江戸時代半ばを過ぎるとその勢いも落ち着いてしまいます。度重なる飢饉や二度の大火により、世の中も不安定となり、西陣織の需要も下がっていきます。

さらに追い打ちをかけるように、明治時代に都が東京に移された影響で勢いを失ってしまったようです。

 

そこで京都府は保護育成を図るため、西陣物産会社を設立します。日本から、佐倉常七 (さくらつねしち) 、井上伊兵衛 (いのうえいへえ) 、吉田忠七 (よしだちゅうしち)の3名の職人をフランスのリヨンに職人を派遣します。その後、ジャカード織物の技術を導入し近代化に成功します。そして、現在でも日本で最高級とされる地位を確固たるものにしました。

 

12種類ある品種の特徴

「西陣織の特徴」でも少し触れたように、12種類の品種が伝統的工芸品として指定されています。ここでは、それぞれ織物の特徴についてご紹介します。

 

経錦(たてしき)

経錦とは、経糸(たていと)を用いて地の文様を織り出した織物です。また、いくつもの色を使った織物を錦と呼びます。

 

緯錦(ぬきにしき)

緯錦とは、さまざまな色の緯糸(よこいと)を用いて、大きな文様を織り出す織物です。経錦と同様に、いくつもの色を使った織物を錦と呼びます。

 

紬(つむぎ)

紬とは、真糸を手つむぎした糸を経糸、緯糸に用いて、手機で作りあげた平織のことです。

 

綴(つづれ)

綴とは、緯糸(よこいと)のみで文様を織り出した織物をいいます。緯糸で経糸を包むようにするため、表面から経糸が見えないのが特徴です。そして、ノコギリの歯のようにギザギザとした爪で、1本づつ織り込んでいきます。手間のかかる作業のため、細かい文様のときは多くの時間を要します。

 

緞子(どんす)

緞子とは、経糸と緯糸5本づつ用いて織り出す織物です。織物の表面には経糸か緯糸を浮かせた、繻子織(しゅすおり)と呼ばれる技術が施されます。密度のある厚地な仕上がりで、光沢があるのが特徴です。

 

朱珍(しゅちん)

朱珍とは緞子と同様に、繻子織が用いられた織物です。しかし、緞子と異なり、地上げ紋がないのが特徴です。

 

紹巴(しょうは)

紹巴とは強く撚った糸を用いて、細かい杉綾状や山形状の地紋を織り出した織物です。

 

風通(ふうつう)

風通とは、いくつかの層になっているのが特徴的な織物です。織物の断面は一般的に一重ですが、風通の断面は二重、三重となっています。

 

綟り織(もじりおり)

綟り織とは、1本の経糸に絡み合った織り方です。からみ織とも呼ばれており、経糸と緯糸に隙間ができるのが特徴です。

本しぼ織り(ほんしぼおり)

本しぼ織りとは、練染した絹糸を用いた織物です。糊(のり)をつけて右左と交互に撚ってゆき、最後にぬるま湯でもみ、しぼを出します。

 

絣織(かすりおり)

絣織とは、経糸と緯糸に部分的に防染を施した織物です。

 

ビロード

ビロードとは最初に針金を折り込み、のちに針金の通った箇所の経糸を切り起毛させます。また、針金を引き抜き輪奈(ループ)を作る技法です。

 

肌で触れて感じる

近年では、西陣織の技術を活かして着物以外にも、ネクタイやストールといった小物類も出ています。

伝統技術が施された西陣織は高価なため、気軽に手にできるものから試してみてはいかがでしょうか。

 

西陣織が産地の京都では、実際に西陣織を体験、見て学べる場所があります。

西陣織会館では、手織に触れたり、着物を着たりすることで西陣織を肌で感じることができます。京都へ旅行に行った際は、西陣織会館を訪れてみてくださいね。

 

バッグや扇子などの販売も行っているため、さまざまな視点からお楽しみいただけます。

京都に行く機会がある方は、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。

 

▷「西陣織会館」の情報については、西陣織会館Webサイトをご確認ください。

 


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結婚祝いや出産祝い、新築祝いなど。

お祝いごとの際に語られることの多い「内祝い」ですが、本来はどのような意味をもつことばなのかご存知でしょうか。また、内祝いとはどのようなシーンで贈るものなのでしょうか。
意外と正しく理解していない方も多いかもしれません。
あいまいな理解のまま失礼にあたってしまわぬよう、今回の記事ではそんな内祝いのしきたりや種類についてご紹介します。

 

内祝いとは

内祝いとは、身内の中で起こったおめでたい出来事や喜びをおすそ分けするという意味のことば。そう、内祝いには本来、「お返し」という意味はありません。そのため内祝いは、日ごろお世話になっている方や親族などに、よろこびの出来事を分かち合うという意味で、贈りものをすることを指します。

 

ただ現代では、内祝いは「いただいたお祝いへのお返し」として利用することが多くなりました。そのため、おめでたい出来事があったとしても、お祝いをいただいていない方に対して内祝いを贈ることはあまりしません。

 

また、現代では「お返し」という意味合いが強い内祝いですが、お返しということばを使うのは失礼にあたります。内祝いにお礼状などを添える際には、そのようなことばを使うことは控えるようにしましょう。

 

内祝いの種類

結婚や出産、引っ越し祝いなど。内祝いには、じつにさまざまな種類があります。ここでは、内祝いにはどのような種類があるのか、そしてスマートに贈るためのマナーについてご紹介します。

 

結婚内祝い

結婚祝いの品をいただいた場合は、挙式後1か月以内にはお返しとして贈るようにします。金額は頂いたものの3分の1から半額程度が目安です。熨斗紙の表書きは「寿」や「内祝」とし、水引は二度繰り返したくないお祝いごととして、結び切り輪結びのものを使用します。

 

《おすすめの贈りもの》

結婚内祝いにおすすめの贈りものとしては、日持ちがするお菓子など後に残らないもの、ペア(セット)食器類、いくつあっても困らないタオルなど実用品が好まれます。また、引き出物と同様に、引菓子や鰹節、祝砂糖といった伝統的なお祝いギフトもつけて贈ることができるとベストです。

 

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●出産内祝い

出産後の慌ただしいタイミングですが、妊娠や出産を祝っていただいた方々への心からのお礼をする、大事な機会です。

 

金額の相場は、いただいた贈りものの半額程度といわれています。お祝いを頂いていない方に対しては気を遣わせることのないよう高価すぎないものを、写真は顔が見たいと言ってくださる親しい間柄の方へ贈るにとどめましょう。熨斗には、蝶結び花結びなど何度繰り返しても良いしるしの水引をつけ、表書きとして「内祝」、その下に赤ちゃんの名前を書くようにします。

 

《おすすめの贈りもの》

石けんやタオルセット、洗剤などといった実用的な消耗品、食品であればお菓子やコーヒー・紅茶などの日持ちのするものが一般的です。かさばりすぎない食器類や小物、ごく近い親類への名入れギフトも喜ばれるでしょう。地域によっては砂糖などの定番を贈る風習もあるのでリサーチが必要です。

 

 

●快気内祝い

病気やケガが治ったとき、お見舞いに来ていただいた方へ快気のご報告として贈ります。

品物をいただいた場合は、その3分の1から2分の1程度の金額のものをお返しするのが一般的です。一度きりとなることを願い、水引は結び切りの形にします。目安として、退院から10日後くらいに贈ることができるとよいですが、何よりも体が本調子になり元気な姿であいさつできることがベストです。

 

《おすすめの贈りもの》

病気が後に残らないように、という気持ちを込めて、あとに残らない消耗品を選ぶようにしましょう。「溶けてなくなる」砂糖や石鹸、チョコレートなどお菓子類、「水に流す」入浴剤や洗剤、「健康に」自然食品、昆布、鰹節…といったイメージに合ったものがよく選ばれます。

 

●新築内祝い

家を新築した際や新居に移った際に、お祝いをいただくことがあるかもしれません。そのお返しとして、もしくはご報告も兼ねて遠方の方などへ贈り物をしたいというときにも新築内祝いとして品を贈ることができます。金額の目安は頂いたものの分の1から2分の1程度熨斗には、何度繰り返してもよいこととして蝶結び花結びの水引をかけます。転居から1、2か月のうちに贈るようにしましょう。

 

《おすすめの贈りもの》

「入るもの(建物)が決まった」という意味から、グラスやカップなどの入れものを贈る習慣もあります。もちろん、ほかの内祝いと同様、タオルギフトやお菓子類、石鹸、洗剤などの消耗品も喜ばれるでしょう。

 

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手渡しが難しい場合にはギフト専門店などからの配送でも問題ありません。熨斗とお礼状を添えられるようにするのがポイントです。頂き物のお返しでもあくまで「内祝い」ですので、お礼状やメッセージカードには「お返し」とは書かないように注意しましょう。

 

相手の環境を考慮し、また置き場所に困るようなもの個性的すぎるものは避けるのが無難です。弔事によく使われる日本茶や、刃物などの縁起が良くないとされるものは、相手が確実に欲しがっていると知っている場合以外は避けておくのが無難でしょう。頂いたものの相場や相手の好みが不明な場合、カタログギフトで相手に選んでいただくこともできます。とはいえ、相場やモノにこだわらず、まずは言葉で、感謝の気持ちを伝えるのも大事なことです。

 

このようにいろいろな定番商品があるなか、ひと味違ったギフトとして日本の伝統工芸品を選ぶ方も増えてきています。


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▷箱根寄木細工の歴史についてはこちらの記事をご覧ください。

 

箱根寄木細工は、その名のとおり「木を寄せ集めて」つくる作品です。

精緻な幾何学模様は、着色料などを用いず、樹木の自然な色を生かして作られています。豊富な樹種を誇る箱根山のもとであるからこそ生まれた工芸といえるでしょう。現在、箱根山は国の保護区となっているため、国内外から様々な木材を集めることで多様な表現を可能としています。しかし、寄木細工が生み出す色の秘密は、それだけではありません。

 

寄木細工が生み出す色のひみつ -埋もれ木-

「埋もれ木」とは、倒木してから数百年ものあいだ地中に埋まっていた木のことで、「神代(じんだい)」とも呼ばれます。土砂によって酸素が遮断され、腐敗していない状態で再び掘り起こされる「埋もれ木」は、たいへん貴重な木材。地中に埋まっていたことで独特な色合いに変化し、寄木細工の模様に深みを増してくれます。寄木細工の美しさは、まさに自然が与えてくれた恵みによるものなのです。

 

伝統文様と新しい文様

自然がもたらしてくれる木の豊かな色合いを利用し、市松青海波麻の葉など、伝統文様の数々を表現する寄木細工。その精緻さは、とても木材だけを利用しているとは思えないほどです。

 

伝統文様と一口に言っても、どの木材を組み合わせるかによって表情は大きく変わってきます。たとえ同じ種類の木であっても、ひとつひとつの色合いや木目が異なるので、まったく同じものは二つとないのです。

 

最近では、従来の文様や製品の枠にとらわれない、新たな作品が生み出されています。

そのひとつが時計ブランド「ICETEK(アイステック)」とのコラボレーション。

 

ICETEKのアイコンであるダイヤモンドを文様に落とし込んだのは、寄木細工の若手職人集団「雑木囃子(ぞうきばやし)」のメンバーである篠田英治氏です。篠田氏は非常に細かい細工を得意としており、500円玉ほどの大きさの「日本一小さな秘密箱」などを製作しています。

 

その技術によって、小さな時計盤にダイヤモンドの文様を表現しました。

従来の伝統文様が約1日で仕上がるのに対し、ダイヤモンド文様の製作には丸1週間を要します。仕上がりの良いものを選定すると、手間暇は2倍3倍にもなるといいます。

 

使用する木材も日本産に限定した、「メイド・イン・ジャパン」にこだわった作品。若い感性が寄木細工の伝統にどのような新しい風を巻き起こすのか、今後がもっと楽しみになる逸品です。

 

ICETEK
QUINTEMPO1_WOOD
※参考商品

<篠田英治氏プロフィール>

1982年 神奈川県相模原市生まれ

2002年 京都伝統工芸専門学校 入学

2003年 京都伝統工芸専門学校 卒業

2013年 厚生労働省認定 神奈川県箱根細工技能師 認定

非常に細かい細工を得意とし、小さな秘密箱やオルゴールなどを製作している。

 


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箱根を代表するお土産のひとつとしてもよく知られている、「箱根寄木細工」。

 

寄木細工は自然の木材を使い作られており、色や組み合わせかたにより、さまざまな模様を表現します。その数はなんと、100種類以上あるといわれています。

 

この記事では、箱根寄木細工の歴史から特徴、種類について詳しく紹介します。

 

箱根寄木細工とは

寄木細工(よせぎざいく)とは、さまざまな種類の木材を組み合わせ、それぞれ異なる色合いを利用して模様を描く木工技術です。箱根寄木細工は神奈川県箱根町で生産されており、日本が誇る伝統工芸品のひとつです。

 

日本ではほかに類を見ることがなく、昭和59年に通商産業大臣(当時)より「伝統的工芸品」に指定されています。正確かつ複雑な文様を表現していながらも、同時に木の暖かみを感じさせてくれる魅力があります。

 

箱根寄木細工の特徴は、箱根の樹木が色鮮やかな幾何学模様たちを生み出すことができるという点です。種類の多い木材それぞれがもつ、異なる材色や木目を活かし、寄せ合わせることで緻密な幾何学文様を作りだされます。

 

代表的な作品は、側面をスライドさせる仕掛けで開く「秘密箱」。

別名「からくり箱」とも呼ばれており、簡単に開けることができない作りとなっています。複雑な仕掛けもさることながら、精緻で美しい模様は人々を惹きつけてやみません。 

 

箱根寄木細工の歴史について

箱根寄木細工の始まりは、江戸時代まで遡ります。

江戸時代後期ごろに、箱根山の畑宿という宿町で石川仁兵衛 (いしかわにへい)) が作り始めたといわれています。当初は、乱寄木や単位文様による寄木細工が主流だったようです。このころは、この土地を訪れた旅人たちの土産として親しまれていました。

 

明治時代初頭には、静岡方面の寄木技法がもたらされました。連続文様構成の小寄木が確立したことで、幾何学模様の寄木細工が作られるようになっていきました。そして、現在まで寄木細工の技術が受け継がれ親しまれています。

 

文様の種類はなんと50種類以上

寄木細工はいくつもの木材を使って、さまざまな文様を表現しています。

「六角麻の葉」や「紗綾型(さやがた)」「青海波(せいがいは) 」「七宝矢羽(しっぽうやばね)」などの伝統的な文様をはじめ、現在では約50種類以上の文様が存在します。

木材の色の系統は、白色、淡黄色系、灰色系、黄色系、茶色系、緑色系、褐色系、赤色系、黒色系といった、9つの系統に分けられています。いくつもの木材と角度を変えて作ることで、100種類以上になるといわれています。

 

繊細な技巧の集大成、寄木細工

そんな寄木細工は、どのような工程を経て生み出されるのでしょうか。

 

《製作工程》

まずは、色や木目の異なる板を配色して貼り合わせます。その板を、型を用いて正確な形に削り出し、さらに貼り合わせて文様のパーツ(単位模様)を作ります。それらの単位模様をいくつも組み合わせることで精緻な幾何学模様を作り出したものを「種板(たねいた)」と呼びます。

 

細かなパーツを正確に削り出しては寄せていく、気が遠くなるような作業です。

 

「種板」をろくろで削り出すなどして形作った作品は、「無垢もの」と呼ばれます。丸みを帯びた形も作ることができ、曲面の出し方によって模様が変わるのも特徴のひとつです。

 

「種板」を特殊な大鉋(おおかんな)で削り、薄いシート状にしたものを「ヅク」と呼び、この「ヅク」を木製品の外側に貼り付けて作られた作品は「ヅクもの」と呼ばれます。この「ヅク」が作れるようになったことで、寄木細工をあしらった製品の量産が可能になりました。

 

熟練した匠の技

寄木細工の精緻な文様は、職人たちの熟練した技によって生み出されています。

そんな寄木細工は現在、どのような場所やシーンにも馴染む風合いある和洋折衷のインテリア雑貨としても注目を集めています。

 

箱根寄木細工は、文様によってまったく異なる表情をみせます。ぜひ皆さんも手に取って、寄木細工の魅力について触れてみてくださいね。

【関連記事】寄木細工―美しい模様のひみつ


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