
幕の内弁当の「幕の内」とは一体・・・
みなさん、お弁当は好きですか?
お店の中ではなく、職場や外で好きなように食べられ、電車旅やお花見に欠かせないものでもあるお弁当。
ご家庭の手づくりお弁当からやコンビニ弁当、デパ地下の中華弁当、焼肉弁当、はたまたカレーのお弁当まで!
今日ではさまざまなお弁当が見受けられますよね。
その中でもよく目にするのが「幕の内弁当」。
でも一体「幕の内」って、何を意味する言葉なのでしょうか?
■幕の内弁当の定義
幕の内弁当とは、「俵型の握り飯と数種類の副食(おかず)を詰め合わせた弁当」のことです。
ご飯の上に黒胡麻を散らし、卵焼き・かまぼこ・焼き魚・揚げ物・煮物・漬け物・佃煮などを詰め合わせます。
ごま塩俵握り飯であることは、今日でも大方が継承しています。ただ、おかずはお店によって多少違いがあり、それぞれ工夫を凝らした料理を詰めるようにしています。
駅弁などでは使い捨ての折り詰めに入れられていますが、芝居小屋では重箱に入れられ、容器は食後に回収されることもあります。
こうしてみるとちょっと贅沢なお弁当ですね。
■なぜ幕の内弁当というの?
幕の内弁当として売られるようになったのは江戸時代の後期といわれ、
「芝居文化の発展とともにうまれた弁当」として、歌舞伎と深いつながりを持っています。
●名前の由来
「幕の内弁当」と呼ばれるようになった由来には諸説あります。
1.芝居興行のときに役者や裏方に出していた弁当をやがて観客も食べるようになり、幕間に食べる弁当だから。
2.役者が幕の内(舞台裏)で食べていた弁当だから。
3.芳町の「万久(まく)」という店が、小さな握り飯にお菜を添えた弁当を売り出したから。
4.相撲取りの「小結(こむすび)」が幕の内力士であることになぞらえて、そう呼ばれるようになったから。
5.戦国時代、戦陣の幕の内で食べた弁当だから。
なかでも1,2の説が有力とされており、「幕の内弁当と番付の幕内とは関係がない」との説もあります。
ただいずれにせよ、幕の内弁当は芝居小屋や相撲茶屋など江戸の庶民の娯楽につながっていたことはたしかなようです。
鉄道が発達すると、幕の内弁当は駅弁の原型として現在のスタイルになりました。
旅行や観劇といった、特別な日にも選ばれる幕の内弁当。日本全国、老若男女に根強い人気を誇り、長い間愛され続けているのですね。
これから秋の行楽シーズン、幕の内弁当をお供に旅行にでてみてはいかがでしょうか。