2月に入り、厳しい寒さのなかにもやわらかな春の日差しを感じられるようになってきました。
甘い香りが春の訪れを予感させ、なんだか幸せなきもちにさせてくれる梅(ウメ)の花。
ウメの花は、「松竹梅(しょうちくばい)」と並べておめでたいもののひとつともされていますが、それぞれの由来や意味をご存知でしょうか。そこで今回は、そんな松竹梅のあれこれをご紹介していまいります。

■どうして「松竹梅」なの?

わたしたちの暮らしのなかには、さまざまな格付けや意味合いを持った言葉があります。「松竹梅」もそのひとつで、主に商品やサービスの格付けを示すものとして使われています。一般的には最高級の松に次いで、中堅ランクが竹、そして梅とつづきます。

中国では3という数字は古来より縁起のいい数字。

このことから3つの植物の組み合わせ、なかでも寒さの厳しい真冬にも美しい葉や花を咲かせ、豊かな生命力を連想させる植物のセット「歳寒三友(さいかんさんゆう)」がとくに喜ばれてきました。

中国では、宋代よりマツ(松)やタケ(竹)、ウメ(梅)、スイセン(水仙)などの冬を代表する植物からいずれかの3つがセットで描かれたのです。そのなかでもウメは描かれることが非常に多く、しだいに中国における歳寒三友の要となっていきました。

●日本にも伝えられたものの……

松竹梅の組み合わせが日本に伝えられたものの、決してすぐに定着したというわけではありません。

その常緑性が長寿のシンボルとされてきたマツ、そして成長力の旺盛さが繁栄を意味するタケ。
この2つはもともと日本に自生しており、生命力のたくましさが古来より尊ばれてきました。
そのためマツとタケは、縁起物として平安末期にはマツとタケを組み合わせた門松をお正月飾りとして用いられていたとされています。

●日本で松竹梅がなかなか定着しなかった理由

ですが、なかなか日本で定着していかなかったのがウメでした。ウメは中国原産の樹木で、奈良時代後期に日本へとやってきたとされています。日本に伝わって間もないウメは、そのころの貴族にとって憧れの大陸文化の象徴でしたが、自生の種であるマツやタケとはすぐに結びつかなかった要因のひとつなのかもしれません。
ですが、やがて春の訪れとともに香しい花を咲かせることから、やがてウメも冬の風物詩として定着していきました。

■松竹梅それぞれの意味について

松竹梅の順番は、日本で吉祥(=めでたいこと)の象徴となった年代の順番を表しています。
ここでは、それぞれの意味について紹介していきます。

●松(マツ)


平安時代に吉祥の象徴となった松。松は1,000年もの寿命があり、1年じゅう葉の色が変わらないことから「常盤木(ときわぎ)」と呼ばれ、縁起のよいものとされてきました。また、中国では長寿延命の木とされています。

●竹(タケ)

竹はおよそ3か月ほどで親と同じ高さまで大きくなるほど、生命力を持った植物。
また、1年じゅう枯れることがなく、つぎつぎと新芽を出していきます。そのことから、室町時代より子孫繁栄の象徴とされています。

●梅(ウメ)

菅原道真が愛したという梅の花は、厳しい寒さのなかでも1番に春の知らせを伝えてくれる植物であることから、江戸時代より繁栄・気高さ・長寿の象徴とされています。

■松竹梅に優劣はない

松竹梅は平安時代から現代まで、時代とともにその意味合いが徐々に変化していきました。
松、竹、梅それぞれが吉祥の象徴であることから、そこに優劣関係はありません。
ですが、それぞれが吉祥とされた時代にしたがって現代では格付けとして用いられています。

ちなみに、格付けや等級をあらわすようになったのは、蕎麦屋や寿司屋のメニューで『特上・上・並』を『松・竹・梅』に置き換えるようになったことが始まりだとされています。


サクラよりすこし前に見頃を迎える梅(うめ)の花。
全国には多くの梅を鑑賞できるスポットがあるので、梅の上品な美しさと爽やかな香りに癒されてみてはいかがでしょう。

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