《うつわ特集②》白磁に施された、華やかさ。 有田焼の奥深き世界
皆さんは毎日の食卓では、どのようなうつわを使っていますか。
日ごろ使っているうつわの中には、有田焼と呼ばれる日本の伝統的な焼きものがあります。
有田焼は白磁に花の絵付けや、赤など目立つ色が施されたイメージもあります。しかし、有田焼のなかにも様式がいくつかあり、デザインの仕上がりも異なります。
今回は、三大陶磁器としても知られている有田焼の歴史、特徴と様式の種類について詳しくご紹介します。
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もくじ
有田焼について
有田焼とは、佐賀県有田町を代表する焼ものです。ひと目見ただけで、華やかさが伝わってくるのが特徴のひとつ。
白く透きとおる白磁に、呉須を使って描いた染付けや、絵付けといった赤絵が施されています。
普段使いされるものから、美術品として飾られるものまで、幅広くつくられてきました。
磁器の原料となる陶石が、有田町で発見され、つくられはじめたとされています。また、日本でいちばん最初につくられた磁器ともいわれています。
※呉須……磁器に使われる藍色(ブルー)の顔料のこと
※赤絵……緑・紫・青などの基調に描かれた上絵付けのこと
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有田焼の歴史について
有田焼の歴史は古く、江戸時代から始まったといわれています。
当時豊臣秀吉が行っていた朝鮮出兵の際、金ヶ江三兵衛(かながえさんべえ)という名の陶工が朝鮮より日本へ連れて来られました。
そして、1616年には有田の泉山から磁器の原料となる陶石を発見しました。陶石を見つけたことにより、初めて磁器の生産が可能となりました。
有田焼きは400年以上と続いており、日本で最も歴史ある磁器といわれています。
1640年ごろに入ると、さまざまな顔料を使った上絵が施されるようになりました。
1650年ごろには、東インド会社により有田焼がヨーロッパへ輸出されるようになります。当時、ヨーロッパでは日本のような陶磁器がなかったため、有田焼が好評だったようです。また、有田焼は伊万里の港から有田焼を輸送していたことから、伊万里焼とも呼ばれていたようです。
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有田焼の種類(様式)
有田焼の中にも1つひとつ特徴が異なり、大きく3種類の様式に分けられています。
古伊万里様式(こいまりようしき)
古伊万里は、江戸時代から呼ばれるようになった様式のひとつです。伊万里市の伊万里港から、磁器を船で積みだしていたことから、古伊万里焼と呼ばれるようになりました。また、伊万里焼とも呼ばれています。
古くからの伊万里の磁器が多く存在するため、古い伊万里焼は「古伊万里様式」と呼ばれるようになりました。
白磁に染付をした上から、赤色、緑色、黄色などで絵付けされているのが特徴です。
そのほか、赤色や金色を使って絵付けされる、金襴手(きらんで)といわれる華やかに仕上げる技法もあります。
柿右衛門様式(かきえもんようしき)
乳白色の上から、赤色、黄色、緑色、青色を使って絵付けが施されています。大きく描かれた絵と、美しい余白が残るのが特徴。花や鳥といった描かれた絵からは、日本の風景を感じとることができます。
また、左右非対称に描かれているのも柿右衛門様式ならでは。。
これらの技法を「濁手(にごしで)」と呼びます。
鍋島様式(なべしまようしき)
鍋島様式とは、献上品などとしてよく使われていた焼き物。決められた管理のもとで、一流の職人を集めつくられていたといわれています。
描かれている模様ひとつから間違えのないよう、計画的につくられています。
さらに、鍋島様式は「色鍋島」「鍋島染付」「鍋島青磁」の3つの技法に分けられます。なかでも色鍋島は、献上品や作品のひとつとしてつくられていたようです。
色鍋島(いろなべしま)は赤色、黄色、緑色の3色のみで上絵されているのが特徴。日本磁器最高峰ともいわれています。
鍋島染付(なべしまそめつけ)は呉須のみを使用して、絵付けが描かれています。濃(だみ)、墨弾きなどの技法が施されています。
鍋島青磁(なべしませいじ)は、大川内山からとれる青磁原石を使い、青磁釉を焼き上げたものです。
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それぞれの様式を楽しもう
今回有田焼についてご紹介しましたが、すこしでも有田焼の魅力について知っていただけたら幸いです。
うつわにはそれぞれの様式が施されているので、お持ちのうつわがどのような様式なのかチェックしてみてくださいね。
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