
陶器と磁器の違い
●器の始まり
わたしたちの日常生活に欠かせない器。
日本の器の始まりは、1万年以上前に作られた縄文土器と言われています。
その後、中国大陸や朝鮮半島から窯、ろくろ、釉などの新しい製陶技術が伝えられ、日本の焼物文化に大きな影響を与えました。
焼物は総称して陶磁器と言われています。
これらは、5つの工程で作られます。
①原料の採取
②土練り
③成形
④焼成
⑤窯開き
陶器と磁器を作る上で、特に違いがあるのは①原料の採取と④焼成の工程。
①原料の採取
陶器は、陶土を掘り出して乾燥後、さらに細かく砕いたものを水に溶かし自然乾燥させます。
それに対して、磁器は陶石を掘り出し、砕いたものに水を混ぜて適度な粘土状にします。
④焼成
陶器は1200℃前後の低温で、10時間から48時間ほど焼きます。
磁器は1300℃から1400℃と陶器よりも高い温度で焼き、絵付け後にさらに低温で焼きます。
●それぞれの特徴
・指ではじいたときの音
・風合い
陶器は厚手で土のぬくもりがあり、磁器は薄手でなめらかな手触りです。

●扱い方
・保温性と吸水性
陶器は、厚手で熱しやすく冷めにくいので、熱いものを入れるのに向いています。
密度が低く、吸水性が高いため、使用後は染みつかないようすすいだり、乾燥させたりとお手入れが必要です。
磁器は熱しやすく冷めやすいので、保温性には欠けますが、薄くて丈夫なので使いやすいです。
また、吸水性が低いので汚れが付きにくい点も魅力です。
・陶器:益子焼、唐津焼、萩焼など


陶器と磁器。それぞれのよさを活かして、心地よく生活に取り入れていきたいですね。