
水引に込められた想い
水引の役割には、次の三つがあります。
・包みがほどけないように留めておく
・一度ほどくと封を開けたことがわかってしまうため、誰かに無断で開けられるのを防ぐ
・贈る相手に礼を尽くし、気持ちを結びに託して伝える
そんな重要な役目をもつ水引には、大きく2種類の結び方があります。
●結び切り
ひとつは、「結び切り」といういわゆる“かた結び”で、「真結び」ともよばれます。
もともとはあらたまった贈り物や目上の方への贈り物に使われてきたものです。
一度固く結ぶとほどけにくい結び方であるため、現在では婚礼や葬儀、病気のお見舞いといった二度あってほしくないことに用いられています。
「淡路結び」(「鮑結び」とも)はこの結び切りの発展バージョンのひとつです。
結び目が絡み合い、互いの輪が互いを結びあっていることから長生きと長続きの印とされているほか、祝儀物としてめでたいといわれる鮑に形が似ていることからも末永く良いお付き合いを、という願いが込められる結び方です。
●蝶結び
もうひとつの種類は「蝶結び」。「花結び」「諸なわ結び」とよばれることもあります。
こちらは古くは自分と同等の立場の人やちょっとした贈り物をする際に使用されてきた結び方です。
よくある蝶結びやリボン結びのように、糸を引っ張るとほどけ、また結び直すこともできることから、婚礼以外の何度あってもよい一般的なお祝いごとに使われています。弔事や病気見舞いなどに使用すると「不幸を重ねる」「病気を繰り返す」として縁起が悪く思われてしまうため注意が必要です。
祝儀袋に使う水引は、基本的に5本、7本などの奇数で一組です。結納など結婚祝いの関連では10本が一組となって結ばれます。
慶事には金銀、紅白、金赤(関西以西で多いようです)などを組み合わせ、弔事には、双銀(銀一色)、白黒、白銀、白黄(関西以西で多いようです)などが組み合わされます。
2色の水引の場合、向かって右が濃い色の糸になるように結ぶのがしきたりです。
地域によって好まれる結び方や色があるので、それに合わせるようにするとより喜ばれるでしょう。
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