ランドセルは日本独自の文化| 種類によって異なる特徴
小学生の通学かばん「ランドセル」ですが、この単語の語源について知っている人は少ないかもしれません。
今回の記事では、そんなランドセルの語源の由来や小学生の通学かばんとして浸透するようになった理由や歴史についてわかりやすく解説します。
もくじ
ランドセルの基礎知識
ここではランドセルの基礎知識についてご紹介していきます。
素材
ランドセルの素材には、大きく分けて3種類存在します。それぞれの特徴について順番にご紹介します。
・人工皮革(クラリーノ)
3種類の中でも軽量で値段が手ごろな素材。軽量のため、初めてのランドセルでも負担なく背負うことができます。水や汚れにも強く、色のバリエーションが多いのも特徴です。
最近ではピンクや黄色、水色といった可愛いパステルカラーなども多くでています。
・牛革
牛革は3種類の中でももっともキズがつきにくく、キズがついても目立たないのが特徴です。強度が高い革のため、使っていても型崩れがしにくいです。
牛革は、使えば使うほど味わいがでてきます。日ごろから手入れをしっかりしていれば、表面に艶もでてきて楽しむことができます。
・馬革(コードバン)
3種類の中でも、最も高級な素材となっています。馬一頭からランドセルのかぶせ1〜2枚分しか採ることができません。ほかの2種類よりも強度が強くキズもつきにくいですが、2種類よりも重いのが特徴です。
サイズ
最近では、A4サイズのファイルが入るランドセルがスタンダードになってきています。教科書も入れやすいよう、マチ幅が12cm以上がおすすめとされています。
ランドセルの種類
ランドセルの型の種類には、学習院型ランドセルとキューブ型ランドセルの2種類存在します。ヘリ巻き(※1)が存在するのと、存在しないのが大きな違いです。
・学習院型ランドセル
学習院型ランドセルはヘリ巻きがあり、従来のランドセルの型で一般的といわれています。ヘリがある分マチも狭くなってしまいますが、丈夫な作りになっているため強度が強いのが特徴です。
・キューブ型ランドセル
キューブ型ランドセルはヘリ巻きがなく、学習院型ランドセルをもとに新たにできた型です。ヘリがない分マチも広く、A4サイズのファイルもスムーズに入れらるのが特徴です。
また、ヘリ巻きがない分すこしだけコンパクトサイズになっています。
※1ヘリ巻き:大マチと背当てを外側で縫い合わせた部分を包み込むように縫うことから、ヘリ巻きといわれるようになりました。
ランドセルの語源って? どこの国のことば?
ランドセルの語源は、オランダからきたといわれています。
ナップサック(※1)はオランダ語でランセル(ransel)と言い、日本語が混ざってなまってきこえたのがランドセルとされています。
当初はランドセルではなく「背のう」と呼ばれていましたが、徐々にランドセルと呼ばれるようになりました。そのため、オランダでランドセルと言っても伝わらないため、注意が必要です。
ランドセルの歴史は、江戸時代の幕末に日本で西洋の軍隊制度を取り入れたことから始まった、など諸説あります。
※1ナップサック:リュックサックとは違い、サイズも小さく日常使いできるバッグです。持ち手が紐なため、軽い荷物をいれるのが基本とされています。
ランドセルが日本に浸透したきっかけ
ランドセルが世に出回りはじめたころは、高級品として扱われていたため、だれもが買えるものではありませんでした。
その後、昭和30年代以降の高度経済成長をむかえたことにより、全国でランドセルを手にできる人々が急増しました。
ランドセルの語源はオランダからきたといわれていますが、通学用かばんにランドセルを始めたのは学習院が関係しています。
明治20年、大正天皇が学習院に入学したお祝いとして当時の内閣総理大臣だった伊藤博文が、皮革の箱型のランドセルを贈りました。そして、現在のランドセルの形が完成しました。
従来型のランドセルは、学習院型ランドセルとも呼ばれています。
当時の学習院の学生は馬車や馬、人力車で登校していましたが、すべて中止となりました。自分で荷物を持つ習慣がなかった学生も、ランドセルを背負うことで自分で荷物を持つようになりました。
そして、徐々に全国にもランドセルの認知が広がっていき、利用者も増えました。
オランダ語に日本語が混ざってなまったものが「ランドセル」
文中でもご紹介をしましたが、ランドセルの語源の由来はオランダ語からきています。
ナップサックをオランダ語でランセル(ransel)と発音し、日本語が混ざってなまって聞こえたのがランドセルです。
日本人にとっては当たり前のものとして浸透していますが、ランドセルには歴史があり日本独特の文化ともいえます。
安全面や使いやすさ、耐久性などに優れた日本を誇るかばんといっても過言ではありません。
ランドセルはいちど買ったら6年間使いつづけるものなので、ぜひ1人ひとりに合ったランドセルを選んでいただきたいです。
ランドセルにも種類や由来が存在するので、すこしでも参考になれば幸いです。
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