お正月の駅伝や温泉地で有名な箱根。そんな箱根のおみやげのひとつに、箱根寄木細工があります。

 

代表的な作品は、側面をスライドさせる仕掛けで開く「秘密箱」。複雑な仕掛けもさることながら、精緻で美しい模様は人々を惹きつけてやみません。その魅力は、海外にも多くのコレクターがいるほどです。

 

日本では他に類を見ない箱根の寄木細工は、昭和59年に通商産業大臣によって「伝統的工芸品」に指定されています。

正確かつ複雑な文様を表現していながらも、同時に木の暖かみを感じさせる寄木細工

そんな寄木細工は、どのようにして生まれているのでしょうか。

 

 

寄木細工の歴史

寄木細工(よせぎざいく)とは、さまざまな種類の木材を組み合わせ、それぞれ異なる色合いを利用して模様を描く木工技術のことを指します。日本においては、江戸時代後期に箱根山の畑宿で始められ、当初はは乱寄木や単位文様による寄木細工がメインだったそう。その後、明治時代初頭に静岡方面の寄木技法がもたらされたことにより、連続文様構成の小寄木が確立されました。

 

寄木細工の魅力

箱根寄木細工の魅力は、箱根の樹木より生みだされる色鮮やかな幾何学模様たちを生み出すことができるということ。種類の多い木材それぞれが持つ、異なる材色や木目を活かし、寄せ合わせることで緻密な幾何学文様をつくり出すことができます。そんな寄木細工は現在、どんな場所やシーンにも馴染む風合いある和洋折衷のインテリア雑貨として、海外からの注目も集めています。

 

 

繊細な技巧の集大成、寄木細工

そんな寄木細工は、どのような工程を経て生みだされているのでしょうか。

 

《製作工程》

まずは、色や木目の異なる板を配色して貼り合わせます。その板を、型を用いて正確な形に削り出し、さらに貼り合わせて文様のパーツ(単位模様)を作ります。それらの単位模様をいくつも組み合わせることで精緻な幾何学模様を作り出したものを「種板(たねいた)」と呼びます。

 

細かなパーツを正確に削り出しては寄せていく、気が遠くなるような作業です。

「種板」をろくろで削り出すなどして形作った作品は、「無垢もの」と呼ばれます。丸みを帯びた形も作ることができ、曲面の出し方によって模様が変わるのも特徴のひとつです。

 

「種板」を特殊な大鉋(おおかんな)で削り、薄いシート状にしたものを「ヅク」と呼び、この「ヅク」を木製品の外側に貼り付けて作られた作品は「ヅクもの」と呼ばれます。この「ヅク」が作れるようになったことで、寄木細工をあしらった商品の量産が可能になりました。

 

寄木細工の精緻な模様は、職人さんたちの熟練した技によって生み出されているのですね。

次は、寄木細工の美しい色の魅力に迫ってみたいと思います。

 

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