大相撲の土俵を回る、あの幕の正体は……
近年では外国人力士のめざましい活躍もあり、事あるごとに話題になる大相撲。
それぞれの取組の前に、身軽な恰好をした男性陣(呼出とよばれる人たちです)が掛布団のごとく大きな幕を掲げながら、列をなして土俵の上を周回する場面を見たことがある人も多いはず。
今回の記事では、そんな懸賞旗についてわかりやすくご紹介します。
色とりどりの幕たち
色とりどりの幕たちは、懸賞旗(けんしょうばた)と呼ばれるものです。
テレビで観ているとあまりはっきり目にすることができないかもしれませんが、さまざまな企業名が書かれた色鮮やかな幕の数々が土俵上を丸く埋める光景は、取組とはまたちがった面白さがあります。
大相撲の取組に懸賞金をかけた企業が社名などを入れた幕を作成し、その取組前に掲げてもらうことができるというもの。また、懸賞旗は懸賞幕(けんしょうまく)と呼ばれることもあります。
広告効果もある?
人気の力士や注目の取組には、多くの懸賞金がかけられることもあるため、懸賞旗の本数には上限が設けられています。ですが、懸賞旗を出すことで自社の宣伝広告を人々の目が集まる場で出すことができるのです。
また、懸賞金をかけると懸賞旗以外にも取組表に企業名が印刷されたり、取組前に場内アナウンスで社名が読み上げられたり。さまざま方法で、企業名が告知されます。
こうした宣伝効果はあるものの、一般的な広告とは異なるのでいろいろな制約もあります。
詳しくは、日本相撲協会のホームぺージをご覧ください。
気になる懸賞金!
懸賞金はその取組の勝者に渡されますが、その行方も気になるところ。
これまで、企業が懸賞金をかけるには、税込62,000円で懸賞旗1本分、これを少なくとも1日1本1場所(15日間)続けるのが条件です。つまり62,000円×15日で合計930,000円からのスタートとなります。1取組には最大5本までかけることができます。
この62,000円のうち勝ち力士の獲得金額は手数料を除いた56,700円。注目度の違いで懸賞をかける企業も増減し、取組後に渡される祝儀袋のボリュームから注目度の高さをうかがうこともできます。
※現在、懸賞は1本7万円に改定されました(令和元年)。力士が受け取る金額は3万円で変わりませんが、手数料など事務経費が1万円、預かる金が3万円に増えました。
祝儀袋を受け取るときの動作はなに?
ちなみに、勝ち力士が行司の差し出す軍配にのせられた祝儀袋を受け取る際に行う手刀(てがたな)は、なんと相撲協会の規定に明文化された決まりごとだそう。
はじめは規則として定められてはいなかった作法ですが、1966年に正式に定められたそうです。
左、右、中央の順に手刀を切ると決められ、これは左が神産巣日神(かみむすびのかみ)、右が高御産巣日神(たかみむすびのかみ)、中が天御中主神(あまのなかぬしのかみ)という、『古事記』のはじめに登場する五穀の守り三神に感謝する礼儀とされています。
しかし、それまでは「心」の字を書く、さらに「心」を示す「りっしんべん」を書くなど、スタイルはさまざまであったとか。また、「右手で手刀を切らなければいけない」という決まりも現在はないそうです。相撲観戦に行く機会があった際は、取組はもちろん、懸賞旗や手刀の様子まで見てみるのも面白いかもしれません。
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