七夕(たなばた)の 歴史、短冊に願いを書く理由とは
7月7日は、七夕。この日は、織姫と彦星が会える1年に1度の大切な日。
願い事を書いて短冊につるしたり、お祭りがあったりと、日本全体がお祝いムードになりますよね。皆さんは具体的に七夕がどんな日か知っていますか。
今回の記事では、短冊の意味や、歴史や由来について詳しく解説していきます。
もくじ
七夕とは、いつ?何をする日?
七夕はいつ?
七夕の日付については少しややこしく、旧暦によって日付が変わってきます。
旧暦の7月7日が七夕とされてきましたが、現在の新暦となっても7月7日が七夕とされています。明治時代に旧暦から新暦へと変わりましたが、七夕の日付はそのままで新暦へと移動となりました。
新暦の7月7日は、梅雨などで天気がよくないことが多いです。日付をそのまま移動したことにより、旧暦のときと同じようには七夕を過ごすことはできませんでした。
旧暦の七夕ですが、現在では8月に該当するといわれています。
そして国立天文台では、旧暦の時と同様に七夕を楽しめるよう旧暦での七夕の日付を定めました。これにともない、旧暦で数える七夕は現在、伝統的七夕と呼ばれています。
伝統的七夕での日付の場合
2023年 8月22日
2024年 8月10日
2025年 8月29日
2026年 8月19日
2027年 8月8日
2028年 8月26日
2029年 8月16日
2030年 8月5日
現在の日本でも7月7日が七夕とされていますが、ほんとうに七夕を楽しむことができるのは伝統的七夕の日付かもしれません。
七夕は、何をする日?
七夕とは、7月7日に行われる日本の伝統的な祭り事のこと。1年に1度だけ、天の川を渡って織姫さまと彦星さまが出会える特別な日となります。華やかな飾りや、願いごとを書いた短冊を飾るのがメインとなっています。
七夕が始まった由来・歴史
七夕は奈良時代に、中国から伝わったといわれています。平安時代には宮中行事として七夕が催されてきましたが、江戸時代に庶民の間でも催される行事となりました。
七夕の由来についてはさまざまな説があり、ここでは3つをご紹介します。
織姫と彦星
琴座のベガと呼ばれる織女星と鷲座のアルタイルと呼ばれる彦星は、裁縫の仕事、農業の仕事をつかさどる星ではないかといわれています。
そしてこの2つの星が7月7日の七夕の日に、天の川をはさんで光ったことから七夕と呼ばれる日になったといわれています。
棚機(たなばた)
七夕(しちせき)をたなばたと読むのは、この棚機(たなばた)読みからきているといわています。中国から七夕が入ってきた頃には、既に棚機津女と呼ばれる行事が存在していました。秋の豊作を神様に祈ったり人々のけがれをはらうというもので、禊ぎの行事として催されてきました。
そして、七夕は棚機(たなばた)の読み方を当てたことからきているといわれるようになりました。
乞巧奠(きこうでん)
ベガと呼ばれる織女星は、裁縫の仕事をつかさどるといわれています。はた織りや裁縫が上手くなるように、7月7日に織女星にお祈りするようになりました。
初めは中国から始まった宮中行事で、後に日本にも伝わった宮中行事といわれています。その時のお供えものとして、笹や竹を捧げていました。
短冊に願い事を書くのは、なぜ?
短冊に願い事を書くようになったのは、乞巧奠(きこうでん)が関係しています。
笹や竹をお供えものとして捧げられてきましたが、いつからか梶の葉に和歌を書いたり願い事を書いたりもされてきました。
そして、短冊へ願い事を書いて笹竹に飾るようになったといわれています。
日本でも願い事が飾られるようになったのは、江戸時代になります。
この頃に庶民の間に七夕が広がっていき、短冊に願い事を書いて笹竹に飾るようになりました。
七夕に食べると縁起のいい行事食たち
ここからは、七夕の時期に合わせて食べたい行事食をいくつかご紹介します。
そうめん
七夕に食べる食べ物で1番縁起が良いとされているのが、そうめんです。
中国から七夕と一緒に伝わってきた索餅(さくへい)が関係しています。索餅(さくへい)とは小麦粉を使って作られたお菓子になります。そして時代の流れと共に索餅(さくへい)も形を変えていき、そうめんへと変化しました。
ちらし寿司
ちらし寿司を、七夕の日に食べる意味はとくにないとされています。ただ、ちらし寿司はお祝いごとの際に食べることが多いことから、七夕の日にも行事食として食卓にあがることが多くあります。
オクラ
オクラは切ると断面が星型のように見えるのが特徴です。星型から連想してか、七夕にオクラ料理を食べると縁起が良いといわれています。これは、星型になったオクラを食べて、天まで届くようにお祈りするためといわれています。
ほうとう
長野県の方では、「七夕ほうとう」と呼ばれる風習があるほどです。
理由はいくつかありますが、小麦の収穫を祝って食べたのが始まりといわれています。また、織姫と彦星のご馳走の食べ物ともいわれているのが理由だと考えられます。
短冊に願い事をのせて
津軽びいどろ
風鈴 まつり/はなび
なんとなく過ごしていた七夕の日でも、短冊に願い事を書いてみるのも風情があって楽しいはず。
今年の七夕は、伝統的な七夕の日もぜひ楽しんでみてください。
いつもよりもっと素敵な七夕を過ごせるはずです。
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