内祝い -日本のおすそわけの心-
結婚祝いや出産祝い、新築祝いなど。
もくじ
内祝いとは
内祝いとは、身内の中で起こったおめでたい出来事や喜びをおすそ分けするという意味のことば。そう、内祝いには本来、「お返し」という意味はありません。そのため内祝いは、日ごろお世話になっている方や親族などに、よろこびの出来事を分かち合うという意味で、贈りものをすることを指します。
ただ現代では、内祝いは「いただいたお祝いへのお返し」として利用することが多くなりました。そのため、おめでたい出来事があったとしても、お祝いをいただいていない方に対して内祝いを贈ることはあまりしません。
また、現代では「お返し」という意味合いが強い内祝いですが、お返しということばを使うのは失礼にあたります。内祝いにお礼状などを添える際には、そのようなことばを使うことは控えるようにしましょう。
内祝いの種類
結婚や出産、引っ越し祝いなど。内祝いには、じつにさまざまな種類があります。ここでは、内祝いにはどのような種類があるのか、そしてスマートに贈るためのマナーについてご紹介します。
結婚内祝い
結婚祝いの品をいただいた場合は、挙式後1か月以内にはお返しとして贈るようにします。金額は頂いたものの3分の1から半額程度が目安です。熨斗紙の表書きは「寿」や「内祝」とし、水引は二度繰り返したくないお祝いごととして、結び切りや輪結びのものを使用します。
《おすすめの贈りもの》
結婚内祝いにおすすめの贈りものとしては、日持ちがするお菓子など後に残らないもの、ペア(セット)食器類、いくつあっても困らないタオルなど実用品が好まれます。また、引き出物と同様に、引菓子や鰹節、祝砂糖といった伝統的なお祝いギフトもつけて贈ることができるとベストです。
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●出産内祝い
出産後の慌ただしいタイミングですが、妊娠や出産を祝っていただいた方々への心からのお礼をする、大事な機会です。
金額の相場は、いただいた贈りものの半額程度といわれています。お祝いを頂いていない方に対しては気を遣わせることのないよう高価すぎないものを、写真は顔が見たいと言ってくださる親しい間柄の方へ贈るにとどめましょう。熨斗には、蝶結びや花結びなど何度繰り返しても良いしるしの水引をつけ、表書きとして「内祝」、その下に赤ちゃんの名前を書くようにします。
《おすすめの贈りもの》
石けんやタオルセット、洗剤などといった実用的な消耗品、食品であればお菓子やコーヒー・紅茶などの日持ちのするものが一般的です。かさばりすぎない食器類や小物、ごく近い親類への名入れギフトも喜ばれるでしょう。地域によっては砂糖などの定番を贈る風習もあるのでリサーチが必要です。
●快気内祝い
病気やケガが治ったとき、お見舞いに来ていただいた方へ快気のご報告として贈ります。
品物をいただいた場合は、その3分の1から2分の1程度の金額のものをお返しするのが一般的です。一度きりとなることを願い、水引は結び切りの形にします。目安として、退院から10日後くらいに贈ることができるとよいですが、何よりも体が本調子になり元気な姿であいさつできることがベストです。
《おすすめの贈りもの》
病気が後に残らないように、という気持ちを込めて、あとに残らない消耗品を選ぶようにしましょう。「溶けてなくなる」砂糖や石鹸、チョコレートなどお菓子類、「水に流す」入浴剤や洗剤、「健康に」自然食品、昆布、鰹節…といったイメージに合ったものがよく選ばれます。
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●新築内祝い
家を新築した際や新居に移った際に、お祝いをいただくことがあるかもしれません。そのお返しとして、もしくはご報告も兼ねて遠方の方などへ贈り物をしたいというときにも新築内祝いとして品を贈ることができます。金額の目安は頂いたものの3分の1から2分の1程度熨斗には、何度繰り返してもよいこととして蝶結びや花結びの水引をかけます。転居から1、2か月のうちに贈るようにしましょう。
《おすすめの贈りもの》
「入るもの(建物)が決まった」という意味から、グラスやカップなどの入れものを贈る習慣もあります。もちろん、ほかの内祝いと同様、タオルギフトやお菓子類、石鹸、洗剤などの消耗品も喜ばれるでしょう。
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手渡しが難しい場合にはギフト専門店などからの配送でも問題ありません。熨斗とお礼状を添えられるようにするのがポイントです。頂き物のお返しでもあくまで「内祝い」ですので、お礼状やメッセージカードには「お返し」とは書かないように注意しましょう。
相手の環境を考慮し、また置き場所に困るようなものや個性的すぎるものは避けるのが無難です。弔事によく使われる日本茶や、刃物などの縁起が良くないとされるものは、相手が確実に欲しがっていると知っている場合以外は避けておくのが無難でしょう。頂いたものの相場や相手の好みが不明な場合、カタログギフトで相手に選んでいただくこともできます。とはいえ、相場やモノにこだわらず、まずは言葉で、感謝の気持ちを伝えるのも大事なことです。
このようにいろいろな定番商品があるなか、ひと味違ったギフトとして日本の伝統工芸品を選ぶ方も増えてきています。
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