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「壱ポイント」は、伝統工芸品や和雑貨を扱うオンラインショップです。職人や作家の想いを伝え、皆様の生活に豊かさを提供していきます。誕生日・記念日・引き出物・内祝い・入学式・入社式など、特別な機会の贈り物にぜひご活用ください。

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【2022年3月】Instagram掲載アイテム一覧

☑︎自遊花人 箸置き -ゴールド-

☑︎アデリアレトロ ボンボン入れ(ミニ)

☑︎Kaguyahime ソラミズイロ -お結びペア-

☑︎工房織座 麻のストール スクエア パープル/グリーン

☑︎薩摩びーどろ 薩摩切子二重被せ 片口酒器揃 -緑/瑠璃-

☑︎キッソオ sabae靴べら -うさぎ-

 

 

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【2022年2月】Instagram掲載アイテム一覧

☑︎TSUNE 飯碗 -日和/水々-

☑︎アデリア(石塚硝子) プレミアム金一文字 -抹茶碗-

☑︎MOKU TUBE(モクチューブ)枕カバー -さらっとタイプ-

☑︎KOSHO〈ougi Ⅲ〉トートバッグPH -焦茶色-

☑︎blanca style SOGI グラタンプレート

☑︎SUNNY LOCATION rond bag(ロンドバッグ)

 

☑︎竹久夢二 アクアドロップ ふろしき 70

☑︎匠工房 和心シリーズアクセサリー(イヤリング・ピアス) -レトロ赤-

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日本の匠にクリエイティブの源を聞くインタビュー特集『匠の道』。

第9回は、和食器&生活用品ブランド「TSUNE」のデザイナーを務める田中恒子(たなか・つねこ)さんのアトリエを訪問しました。和とも洋ともとれるような、独自の温もりある食器を手がける恒子さん。これまで生み出された食器の数々に触れながら、食器に込めた思いや食器コーディネートの極意など、たくさんのお話を聞かせて下さいました。

TSUNEが手がける食器の意匠は、いずれも四季を取り入れたものばかり。

 

主役はあくまでも家庭料理

TSUNEの食器は、そのひとつひとつが熟練の職人によって時間をかけて生み出される一点ものでありながら、主役の座はあくまで家庭料理に引き渡すことを大切にしています。

「コンセプトは〝四季折々〟。移ろいゆく四季に自分の思いを色として重ねながら、一つひとつを作っています。たとえば桜をモチーフにしても、薄紅でえがく年もあれば、夜桜の白を思う年もありますよね。その年、その場所によって変化する感じ方を頼りにしながら、四季の移り変わりとその思い出に寄り添う器造りを心がけています」

 

自然からインスピレーションを受けて調合される釉薬が豊かな色彩を食器に与える一方で、主張しすぎるということはありません。むしろそれらが食卓に四季の訪れを感じさせてくれ、どんな料理を盛りつけようかと想像するのも楽しくなります。

 

 

「単に一色に染めるのではなく、濃淡がグラデーションとなって現れる色合いを目指して作るため、理想にたどり着くまで何度も作り直しますし、月日を経て同じものをまた作るといったことも難しいんです。」

 

服を生み出すように器を生み出す

そんな季節の魅力あふれるTSUNEの食器を生み出す恒子さんですが、食器作りを始める前はファッションの世界にいたという経歴の持ち主。文化服装学院でデザインを専攻したのち、ファッションブランド「ヨーガンレール」に就職、パタンナーのポジションに就いたといいます。意外ともとれる経歴ですが、そこには器作りとの共通点がありました。

 

「新卒でヨーガンレールに入社し、そのなかで必死に服造りを学びました。そしてようやく自分なりに色々やれるようになったとき、陶器の魅力を知ったんです。そのとき気づいたのは、服を作るのも器を作るのも大して差はないんだなということでした。まず作りたいと思ったものの絵を描き、その制作工程を指示書を書く。作る流れは同じなんです。そのことに気づいてますます食器作りにのめり込んでいきました」

 

こうした制作工程を確立させることによって、全国に散らばる伝統工芸の職人たちと手を組むことを実現させ、芸術的な意匠をまとったTSUNEの器は産声をあげます。

飾っても美しい「TSUNE」の器ですが、あくまで日常の食卓に並べてほしいと恒子さんはいいます

 

当たり前の日常にある景色を

奇しくも当時、恒子さんのご主人が飲食店をオープンさせることとなり、その食器を恒子さんが手がけたことによってTSUNEの活動は始まりました。以来、陶器に季節と思い出を重ね続けて三十余年。春夏秋冬といえども毎年異なる季節が訪れ、新たな発見をもたらすといいます。

 

「秋になれば落ち葉を、春から夏にかけては若葉を観察します。そうしていると、去年までは気がつかなかったことにも、今年は気づくこともありますよね。そうやって、毎年異なる四季を陶器に反映しています。それはなにも特別な場所で見られる風景でなくて良く、むしろ誰にでも訪れる景色ですね。朝の時間、夕暮れ時。仕事の帰り道、疲れたなと思いながらふと目に留まるもの。そういった日常の景色からヒントを得ることで、より多くの方々に共感してもらえるのではないかと思います」

なかには宇宙を想起させるようなものも。その表情はどれも個性的で、この中から選び抜くのも楽しみのひとつ

 

食器が生み出す家族の団らん

TSUNEの食器が季節をきっかけとするのは、その食器が辿り着く終着点を考えてのもの。四季を取り入れた先で恒子さんが期待するのは家族の団らんでした。

「食卓は家族が集まる場所。それこそ食器がきっかけとなって、食卓で家族の会話が生まれたらいいなと思うんです。その時その時の季節感は自然な刺激を与えてくれますから、そうして弾んだ会話の延長線で食事を楽しんでもらい、〝今日も一日楽しかった〟と収まるきっかけになれば嬉しいですね」

毎日の食卓に彩りを加えるだけでなく、家族がひとつになるきっかけ作りを終着点にする。ここにも、TSUNEの器が持つ暖かみの理由がありました。

こうして食器を重ねるだけでも使い道はぐっと広がります

 

すでにある食器との共存を考える

しかし家族の団らんを最終点に掲げても、それが実際に家庭のなかで使われなければ意味がありません。実際、どの家庭においても、買ったはいいけれど使われずに食器棚のなかで眠り続ける食器はいくつかあるもの。そこで恒子さんは、時に空間コーディネートまで手がけるといいます。

 

「店頭に立てば、お客様のリクエストに沿ってコーディネートを提案します。買いたいと思う食器を、では現実的にどのように使えば良いかということですね。ここで大事なのは、すでにおうちにある食器とどう共存させるかということ。持って帰ったはいいけれど、日々の生活で使えないのでは本来の意味を失ってしまいます。いかに収納しやすく、それでいて毎日使えるかどうかを一緒に考える。そこにおいてリアルな提案をすることがコーディネートだと思っています」

 

 

作り手の思いを一方的に押しつけるのではなく、時には和となり洋となれるような器であること。芸術的な意匠を持ち合わせながらも、あくまでも主役は家庭料理。ここで初めの話に戻りましたね。恒子さんの話を聞くことから、三十余年の季節を巡り巡って形作られたTSUNEの食器が持つ奥深さに少しだけ触れられたような気がします。

 

TSUNEの食器は壱ポイントでも取り扱っております。いつもの食卓に四季を取り入れ、そこから始まる家族のひと時を皆様にも楽しんで頂けたらと思います。

くわしくは、こちらのページをご覧ください。

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匠(たくみ)にクリエイティブの源を聞くインタビュー特集『匠の道』。
第2回にお迎えしたのは、漆ジュエリーブランド「MIYABICA(※インタビュー当時)」デザイナー、峰岸奈津子さんです。

※2016年よりNatsuko Minegishiとして活動を開始

 

一般的に漆といえば、伝統工芸品を塗る塗料のイメージ。しかし中には、漆だけをつかって生み出される伝統工芸品もあるということ、ご存知でしたか? それが「堆漆(ついしつ)」という技法。

これは、天然の漆を200~300回と重ね塗ることで出来上がる「漆の板」を切って削って、ときには数枚を重ね貼りして、工芸品を生み出すというもの。乾かす時間も求められる作業だから、塗りは1日1回まで。たとえば100回繰り返すとして、かかる日数は100日間。そうまでして辿り着くのは、わずか3ミリの厚さの堆漆板だといいます。

 

まったく気が遠くなる幻の技法を、とても小さなジュエリーに落とし込んだ方こそ、ほかでもない峰岸さんなのです。

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峰岸奈津子さんによるジュエリーブランド「MIYABICA」商品の数々

大学在学中の課題のなかで、漆と出会った峰岸さん。その美しさに魅了されると同時に、漆の豊かな表現力や色のバリエーションにポテンシャルを見出します。卒業後は香川県漆芸研究所に入所し、漆の専門技術を習得。さらに香川県無形文化財保持者の北岡省三さんに師事。

確かな下積みの年月を重ねたのち、2006年から堆漆によるジュエリー制作を手がけ始めました。

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店舗の奥に兼ね備えた工房で日々、堆漆制作や加工作業に没頭するという峰岸さん

10年間、漆と向き合って辿り着いたもの

「初めこそ、漆と聞いても〝お椀の蒔絵〟程度のイメージ。だけど漆を彫ったり、重ねたり。漆といっても、たくさんの技法があると知ってとても驚いた。そうして勉強していくうち、工夫次第で色んなことができると分かって。木目を活かした家具の制作から、木目を漆で塗りつぶした家具やオブジェまでも創るようになったんです」

 

かくして漆と向き合うこと10年。独り立ちを決意するころ、峰岸さんはある決意を固めたといいます。「師匠が作るものを見てきて、同じやり方での伝統工芸の道を選ぶこともできるけれど、私なりの表現の仕方もあるんじゃないかって」

堆漆板となった漆はたいへん軽く、それでいて石のように固い。水にも強く、使えば使うほどツヤが出る。そしてほかのものでは醸し出すことのできない、なんとも言えない滑らかな質感……堆漆の持つ素晴らしい特徴をふりかえった峰岸さんが見出したのは、「漆ジュエリー」というひとつの答えでした。

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(左)ミラーボールカットされた堆漆ネックレス (右)花リング

MIYABICAの堆漆板は、単色の層を何色も重ねることで仕上がります。作るアクセサリーの型に沿って糸ノコで切り落とし、ヤスリや彫刻刀で削ることによって部分的に現われる下の層がグラデーションとなり、堆漆に表情を与えます。それはまるでポップな考古学でも繰り返されるかのよう。

一連の反復作業は、峰岸さんと漆の「言葉なき対話」でもあるのでしょう。その結果がひとつひとつに宿っていることを、皆さんにも手に取って楽しんでいただけるはず。

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MIYABICAの堆漆板はこのような構成でできている

「MIYABICA」=「雅びか」=「洗練された」

日本における漆の歴史を振り返ると、実にいまから9000年前にあたる縄文時代まで遡ることができます。そのときすでに赤や朱に染まった漆が使われていたといいますから、歴史の深さは計り知れません。

原液が採れるようになるまでには10年かかり、また1本の木からわずか200ccしか採取できないという漆。それだけ貴重なものがおよそ1万年の歴史のなかで途絶えることなく継承され続けたのも、ひとえに漆の「雅びか(みやびか)」あってこそ。

 

ブランドネームの「MIYABICA」は、まさしく「雅びか」という古き美しい日本語に由来します。「もともと〝雅(みやび)〟という言葉が好きで。でも、てっきり古風なイメージだと思っていたんですね。それが調べていくうち、実は〝都会的〟とか〝洗練された〟という意味だった。それこそ私が表現したいものだと思い、ブランド名をMIYABICAに決めました」

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「堆漆ジュエリーが出来るまで」1)漆をこすことから全てが始まる。実に見事な光沢感!
2)ガラス板に漆を伸ばしながら塗っていく。一日待って乾けば、また上から重ね塗る
2)ガラス板に漆を伸ばしながら塗っていく。一日待って乾けば、また上から重ね塗る
3)仕上がった堆漆板をノコギリで望む形に切り刻んでいく
3)仕上がった堆漆板をノコギリで望む形に切り刻んでいく
4)形がとれたら、見えてきた層を丁寧にみがく
4)形がとれたら、見えてきた層を丁寧にみがく
5)彫刻刀で彫りを入れれば下層が現われ、華やかな漆のグラデーションが生まれる
5)彫刻刀で彫りを入れれば下層が現われ、華やかな漆のグラデーションが生まれる

大げさでなく、ただただ〝雅びか〟に

幼い頃から大人しい性格だったという峰岸さん。「クラスが騒がしいなか、私はちょこんと大人しく座っているタイプ。先生が『みんな、峰岸さんを見習いなさい!』とお手本にするほどでした」と照れながら。お話を聞いているあいだも、言葉の代わりに微笑みを返すような、大げさに多くを語ることのない、物静かな佇まいの峰岸さん。

その一方でMIYABICAから確かめられる峰岸さんの特徴はやはり、ひとつのことを諦めずにコツコツと続けられる芯の強さ。「私、負けずギライなんですよ。あの子にできて、私にできないはずはない!みたいな(笑)。大人しくしつつも、そういう面は常に持っていました。その分、根性はあるほうなんじゃないと思います」

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大げさでなく、ただただ〝雅びか〟に—。小さなジュエリーに込められた想いは、私たち日本人にとってかけがえのない伝統であると共に、美学でもありました。

「とても手間はかかるけど、私にとってこれは、〝朝起きて歯を磨く〟のと一緒。地道な積み重ねだと思っています。伝統が伝統として歴史に長く残るのは、ひとえに美しく価値のあるものだから。それに携わる者として、中途半端なものは手がけられない。人の心を動かせなかったら、伝統も廃れちゃうじゃないですか。ただ漆を塗り重ねるだけでは、価値は生まれないかもしれない。だから日々試行錯誤して、新しい堆漆の表現を追い求めています」

 

古くは縄文時代まで遡れる漆。出土されるものの中には、1万年の時を経てなお輝きを失わないものもあるとか。MIYABICAの漆ジュエリーをいつの日か未来の人々が掘り起こしたとき、その輝きと美しい造形、なおかつ機能的な作りにどんなことを想像するでしょう。そんな妄想ができてしまうのも、MIYABICAと漆の持つ、時空を超えた不思議な魅力なのかもしれません。

 

峰岸奈津子 
http://natsukominegishi.com/

1976年、埼玉県生まれ。
武蔵野美術大学工芸工業デザイン学科在学中の課題で漆と出会う。
その美しさに魅了されると共に、漆の多様な表現方法、色のバリエーションに
可能性を感じ、卒業後2001年より香川県漆芸研究所にて専門的に彫漆の技術を習得。
香川県無形文化財保持者である北岡省三氏に師事しながら日本伝統工芸展、
日本伝統漆芸展を中心に作品を発表。

2006年、独立。堆漆によるジュエリー製作を始める。
2009年、ブランドMIYABICAをスタート。
2011年、2k540AKIOKA-ARTISANにアトリエ&ショップをオープン。
2016 年 よりNatsuko Minegishi の名で新たに活動をスタート