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春一番はいつ吹く風のこと?
2月から3月にかけて吹く「春一番」。
「春一番が吹く」という言葉があるとおり、春一番とは春の訪れを知らせる風のこと。
名前からは春のイメージが強いですが、具体的にどのような由来や意味があるのでしょうか。
この記事では、春一番の定義から由来、発生する際のメカニズムをご紹介します。
もくじ
春一番とは、どのような風のこと?
春一番とは、立春から春分のあたり、春分が過ぎて吹く南風のことです。
そして、初めて吹く強い風のことを指しています。
寒さが続くなか春一番が吹くことで、春の訪れを感じられるでしょう。
春一番の定義・メカニズムとは
津軽びいどろ
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冒頭でも触れたように、春一番とは立春から春分までの期間にはじめて吹く風のこと。
春になると吹くと認識している方もいますが、条件がそろって初めて発生するのです。
春一番が吹くメカニズムには、気圧が大きく関係しています。
徐々に春へ近づいていくと、日本海側を低気圧が通過することが増えるようです。
西高東低の冬型の気圧配置が崩れると、今まで太平洋岸を通過していた低気圧が、そのコースを日本海に向けるようになります。
発生条件として、強い南寄りの風が吹き、最大風速が8m以上が必要です。
そして、最高気温が前日より高く、日本海に低気圧が通過することで起こるといわれています。
そのため、期間が限定されていることで発生しない年もあります。
※西高東低……東が低気圧、西が高気圧になる気圧配置のこと。
地域ごとの平均風速
平均風速は7~8m/sとされています。
地域が変われば風速も異なり、春一番の定義も異なります。
地域 | 風速 |
九州南部 | 8m/s |
九州北部 | 7m/s |
四国 | 10m/s |
中国 | 10m/s |
近畿 | 8m/s |
東海 | 8m/s |
北陸 | 10m/s |
関東 | 8m/s |
(※日本気象協会より引用)
春一番の由来、歴史
Kaguyahime
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春一番と呼ばれるようになったのには、1859年に長崎壱岐市での出来事が由来しています。
当時出漁していた漁師が強風により遭難し、53人と多くの命を落としてしまう出来事が起きました。
初めて強い風が吹くのと同時に、気圧もいきなり変化することから発生するようです。
この出来事をきっかけに、「春一番」「春一(はるいち)」と呼ばれるようになったといわれています。
現在では、春一番とは天候を表す(急発達する低気圧)大切な言葉です。
穏やかなイメージとは裏腹に、じつは怖い一面も?
津軽びいどろ
ふくらぐらす -さくら–
春の訪れを知らせる穏やかなイメージのある春一番。
ですが、実際には大気の状態が不安定となり、急な天気の変化には注意が必要です。
強風により電車の遅延が発生したり、気温が急上昇し雪崩を誘発したりすることも。
また、春一番が去ったあとは寒さがぶり返すことも多いため、寒暖の差に気をつけましょう。
春の訪れを知らせる「春一番」
アデリア
花りん 花器 -サンド-
長い冬を経て、わたしたちに春の訪れを知らせてくれる春一番。
急な天候変化など気をつけたいところもありますが、新たな季節の移ろいに胸が躍る季節の便りであるのはたしか。
体調には気をつけつつ、素敵な春を迎える準備をしましょう。