
【日本酒の定義と種類②】《純米酒》の特徴と美味しい飲みかた
一定の要件を満たすことで日本酒は、「特定名称酒」として、吟醸酒・純米酒・本醸造酒などに分類されます。そのなかで米と米麹、水だけで造られた「純米酒」は、日本酒にあまり詳しくないという方でも、なんとなく名前は聞いたことがあるかもしれません。
そこで今回は、そんな純米酒の味わいの特徴や製法、純米酒をより美味しくいただく飲みかたについてご紹介します。
純米酒って、どんなお酒?
日本酒は、製造の過程で醸造アルコールが添加されるものとそうでないものに分けられます。アルコール添加がなく、米と米麹、そして水だけを原料とするお酒が「純米酒」。
特定名称酒のなかで、もっとも米のうま味やコクを味わうことができます。そんな純米酒は、精米歩合や製造方法、香味などによってさらに細かく名称が分けられています。
¥2,000+税
精米した白米を低温かつ時間をさらにかけて発酵させることで、吟醸香(ぎんじょうか)と呼ばれる、特有の香りを持つ吟醸造り。この製法によってつくられた純米酒のことを、「純米吟醸酒」もしくは「純米大吟醸酒」と呼びます。
なお、純米吟醸酒および純米大吟醸酒は、精米歩合についてそれぞれ条件が定められています。
たとえば、純米吟醸酒の精米歩合は60%以下。そして純米大吟醸酒の精米歩合は、50%以下と決められています。このことから、純米大吟醸酒のほうがより多くの米を磨いて造られているということがわかります。
特別純米酒
書かれた文字どおり、特別な製造法によってつくられた純米酒が「特別純米酒」。
ただ、実際のところは製法に関する明確な基準はなく、各酒造の裁量に任されています。
特別純米酒の代表的なものには「長期低温熟成」「木槽しぼり(きぶねしぼり:新酒をしぼる際、木製のしぼり機を用いたもの)」などが挙げられます。そのほかにも、原料の米が「有機米のみ使用」「山田錦100%使用」といった場合でも、特別な製法として認められています。
そんな特別純米酒ですが、どのような点が「特別」なのかを消費者が分かるように、ラベルに表示する必要があります。特別純米酒のラベルに注目してみると、お酒選びの参考になるかもしれません。
津軽びいどろ 金彩盃 -月明-
¥2,500+税
純米酒をより美味しくいただく飲みかた
「そんな純米酒は、どんなふうに飲んだら、より美味しく楽しめるんだろう?」
ここでは、純米酒の魅力とおすすめの飲み方をご紹介します。
温度帯によって、味わいが変わる
純米酒の魅力のひとつに、温度帯によって味わいが変わるという点があります。
たとえば、日本では温度帯によって呼びかたを変え、日本酒の味わいの機微を楽しんでいました。
たとえば、一例としてこのような表現があります。
《冷やの表現》
涼冷え(15~20℃):フルーティーさやフレッシュさが感じることができる。
花冷え(10~15℃):すっきりとして、サラリとした印象の味わいを楽しむことができる。
《燗の表現》
日向燗(30~35℃):香りがほんのりと引き立つ。
人肌燗(35~40℃):味にふくらみが感じられ、米や麹のいい香りがする。
ぬる燗(40~45℃):香りがよく立つ。
上燗(45~50℃):キリッと引き締まった香りが感じられる。
おすすめは、「常温~ぬる燗」で
さまざまな楽しみかたができる純米酒ですが、米のうま味を味わうのであれば、常温からぬる燗の温度帯で楽しむのがおすすめ。すこし温まった状態であることから、体内へのアルコールの吸収がゆるやかになり、身体にも負担が少ないというメリットもあります。まずは常温やぬる燗で米の旨味をたのしんでから、徐々にさまざまな温度帯にトライしてみるとよいでしょう。
純米酒は、食中酒にぴったり純米酒は米と水だけで造られていることから、お米と合う料理全般との相性がぴったり。和食はもちろん、中華料理や洋食、肉料理、魚料理などあらゆる料理と合わせることができます。
あらゆるジャンルの料理との相性がいいからこそ、思いがけない素敵なマリアージュに出会えることができるかもしれません。